第十五話【帰宅】 ページ16
『ただいま帰りました……』
ガラガラと横開きの扉を開けてゆっくりと家に入る
時刻は午後六時五十分。私の門限は六時だ。
ポートマフィアを出たのは午後六時を既に回っていたから、どう足掻いてもお説教は確実だ
『先ずは乱歩君に餌付……ではなくお土産を渡して。そしてお父さんには……謝り倒そう』
廊下を歩いていると鼻を擽るいい匂い
咖喱だ。この間、お父さんにも教えた私オリジナルの咖喱の匂いがする
作ってくれたんだと嬉しくなりリビングをちらりと覗く
『(……わぁ、丁度支度が終わったところか。あっ乱歩君が貧乏揺すりしてる……あっお父さんの纏う空気が黒い……)』
非常に冷たい空気が漂うリビングになかなか入れずにいるとお父さんが口を開いた
「……A、入りなさい」
『……はい』
声が何時もより低い。しかも二人とも一度も私を見ない
これはかなり怒ってる。当たり前だ、連絡も無しに遅くなったのだから。でもおかえりくらいは云って欲しいな……なぁんて
「おかえり、僕達に内緒でポートマフィアに行ったA」
『ぐっ……さすが名探偵……っ』
「理由はどうあれ、そこへ行く際には私に相談しろと云った筈だ」
「でも……うぅ……」
「森医師から連絡があった」
『……』
あの変態め……何故お父さんに連絡する?今度絶対にぶん殴って……
「“六時十五分に
『えっあっ……へぇ〜。連絡してくれたんだ……』
「……?Aが森医師に頼んだと聞いたが」
あれ?そんなこと云ってないけど……
否、待てよ?若し私が『そうだよ』と云えば少しは私の罪は軽くなる筈……!
『うん!そーなの!いやァ真逆本当に森医師が連絡してくれると思ってなかったから驚いちゃって』
そうか、と納得したお父さんと、未だに不機嫌な顔でこっちを見てる乱歩君
お願いします、乱歩君よ。此処では何も云わないで君には色々バレてるのは判ってる。だから君の為にお菓子を購ってきたんだよ!
『……でも門限は破ってしまったのは事実。いくら仕事だからといって連絡も六時を過ぎてしまったのも謝ります。ほんとにごめん……なさい』
頭を下げて少しでも誠意を見せる
お父さんは暫く黙って許してくれた。私は嬉しくて飛びついた
『(あとは、乱歩君だけ……)』
私はたらりと冷や汗を流した
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第十六話【許されない事】→←第十四話【駄菓子を購って帰ろう】
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時