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第十四話【駄菓子を購って帰ろう】 ページ15

『断固拒否!てゆーか、私と太宰君が仲良くしようがしまいが、森医師には関係ないでしょ』




「私も反対だね。私のAを困らせるのはいくら首領でも許さないから」




『私は太宰君のものじゃないよ?』




「そうだよ太宰君。Aちゃんは私のだよ」




『黙れ変態。フリルのドレスなんて一生着てあげない』





それは困るよ!!と物凄い勢いで詰め寄った彼の目はガチだった。怖かった





『……と云われても、私は嫌だし。何しろお父さんが許してくれないだろうしね』




「福沢殿には私から話をつけておくよ」




『って云って〜、殴り合いの喧嘩となり遂には殺し合いになるのは目に見えてるよ』






苦笑いをする森さんに私は冷たい視線を送るだけ
取り敢えずもう此処には用はない早く帰ってゲームして本を読んで駄菓子を食べたい





『じゃあもう今日は帰るね森医師』




「私からの勧誘、真面目に考えておいてね」




『はいはぁい、気が向いたらねぇ〜』





片手を挙げて扉に向かう
やだなぁ、帰ったら乱歩君に説教されそうだし。お父さんからは質問攻めにあいそうだし……寄り道してお土産買っていこうかな





織「中里」




名前を呼ばれて振り返ると織田さんは茶封筒を持っていた
……謝礼金だ





『……大丈夫です。今回の件は抑も森医師が企てたこと。織田さんは寧ろ利用された側なんですからそれは受け取れません』




織「態々、喫茶店に来て話を聞いてくれて太宰を探してくれた。喩え利用されていても俺が依頼したんだ。これは受け取ってくれ」




『織田さんって律儀ですよね。じゃあ三百円ください』




織「三百円?」




『ふふ、私が彼らに怒られない為に駄菓子を買おうと思って。そんなに札束はいりません』




織「……そうか」





織田さんは懐から財布を出して私に三百円を手渡してくれた
それがとても嬉しくてこの人ならば信頼してもいいと思った。(たかが三百円だが、されど三百円)





『ありがとうございます、織田さん』





頭を下げて部屋を出る
昇降機(エレベーター)に乗り込み、一階のエントランスから外へと踏み出す





『もうこんなに時間が経っていたのか……』





日は傾き辺りはだんだん暗くなりかけていた
急いで駄菓子を購って帰らないとさらに怒られる





『ふふっ、つまんないなぁ』





石ころを蹴っ飛ばして空を見上げる
どんよりとした雲がヨコハマの街を覆おうとしていた


.

第十五話【帰宅】→←第十三話【久し振りの再会】



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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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