第××話『君ノ名前ヲ知リタクテ“壱”』 ページ44
数年前────
太「あーくーたーがーわーちゃーんー!!」
芥川がマフィアに来て一週間経過したある日の昼下がり
マフィア本部の廊下に響き渡る太宰のおちゃらけた声
芥川はその声に顔を歪めた
この世で最も聞きたくない、できれば一生関わりたくなかった者の声だからだ
『“ちゃん”ではなく、“くん”と云って下さいとあれ程、注意しているのに……
……それで何の用ですか?太宰さん』
しかし、出逢ってしまったものはしょうがない
それに加え、自分を
太「幹部命令だ。君の下の名前を教え」
『……僕には拒否権というものがあります』
太「……なに君、私に反抗かい?」
『……幹部殿でも部下には踏み込んではいけない領域があります
……例えば、僕の半径一
太「何それ。本っ当に君って可愛くないよね」
『……貴方に可愛いだなんて思われたくも云われたくもないです』
丁寧に頭を下げて足早に距離をとる。一刻も早くこの男の前から立ち去りたいのだ
最近の太宰の習慣(?)みたいなものだ。必ず一日に十回以上は芥川の名を呼び、下の名前を知りたがる
その度に芥川は華麗にスルーするか、今回のように話を逸らし逃げるのだ
太「ええ〜?芥川ちゃん!何で教えてくれないんだい!?唯、私が呼びたいだけだよ!?」
『……』
無視。今の質問は無視に限る
羅生門を遣って太宰と距離をとり昇降機に入り自室へ急ぐ
太「……面白くない」
ボソッと呟き口を尖らせる太宰
如何して彼女は自分に冷たいのだろうかと疑問に思う。最初は男が嫌いかと思っていた……が
先日、中也と楽しそうに話す芥川の姿を目撃した。その時は流石に心が折れた
その日、中也に滅茶苦茶悪戯を仕掛けたのは云うまでも無い
太「何か、良い方法はないかな。銀ちゃんは意外と口が堅いし……
まず、あの子に手を出したら芥川ちゃんに何を云われるか……あっ、そうか」
一つのアイデアが浮かび口角を上げる
太「芥川ちゃんの弱点は銀ちゃんだ。ならば……ふふっ、ふふふ」
本部の廊下に太宰の気味の悪い笑い声が響いたのだった
.
第××話『君ノ名前ヲ知リタクテ“弐”』→←第××話『漆黒ハ純白、純白ハ漆黒』
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時