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第三話 『目覚メタ場所ハ』 ページ4

銀「あっ……ッ!お姉ちゃ…ん!」



『銀……ごめんね』




何とか羅生門の力を借りて銀の元まで辿り着いた。
大声を上げて泣く彼女の頭を優しく撫でて抱き上げようとしたが、体力が消耗している為、辛かったから羅生門を銀に巻き付けて持ち上げる。


本当に羅生門に感謝だ




『羅生門……ありがとう』




そう呟いて




銀「お姉ちゃん!」




目の前が真っ暗になった。









コツコツと音を鳴らしながら姉妹に近づく黒い影




太「ほら、無理するから。銀ちゃんだっけ?君のお姉さんを助けたいかい?」




その影は呆れたような顔で倒れている少女を見る




銀「……た、た…すけ、たい」




その表情に怯えながら銀は細々と答える




太「……ふふ、では私が君達を助けよう」




悪魔がニヤリと笑った



━━━━
━━





『……んッ』



ピッピッと機械音が聞こえる
貧民街にそんな所あったか?と不思議に思いながら
のそりと起き上がる。
辺りを見回すと見たことの無い機械や棚や薬品などなど




『……は?此処は何処だ?』




確か、銀を羅生門で抱き上げて歩こうとしたら
視界が霞んで真っ暗になって……倒れた?




『……あっ、銀!銀は!』




腕に付いていた管のようなものを外して、ベッドから飛び出した




覚束無い足取りで必死になって銀を探す




『あれ、私……こんな外套着てたっけ』




見覚えのある黒い外套を引き摺りながらマジマジと見る
でもこの長さの方が羅生門を長距離まで出せる




『……にしても此処は何処だ』




いつ敵が襲ってくるか判らない。羅生門をゆらゆら揺らしながら壁沿いを歩く。
人の気配がしないこの廊下はとてつもなく不気味だった。




『銀……』




私がもっと強かったら、銀や仲間たちを守れた
私がもっと頭がよかったら、こんな事にはならなかった



私がもっと────




?「駄目じゃないか、ベッドから抜け出しちゃあ」




後ろから冷たい声が響いた
驚いて振り返ると太宰治がいた




『銀は何処?』



太「あの子をお探しかい?安心し給え、無事だよ」



『口で云われても説得力がない、会わせて』



太「そうだねえ、初対面の私を信じろだなんて無理だろうからね。付いて来給え」




微笑む太宰にイラつきを感じながら渋々、ついて行く




『……ッ!』




ふと視線を感じて後ろを振り向く
しかしそこには誰も居ない


不思議に思いながらも太宰の背を追った



.

第四話 『銀トノ再会』→←第二話 『悪魔ト漆黒ノ出会イ』



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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時

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