第二十六話『オレンジジュース=長話』 ページ27
───“彼女を救いたい”
『(鏡花が僕を助けたい?原作の芥川より好かれて大丈夫なのか?いや、湯豆腐を作った時点でもうアウトなのだが。それでもこんなにも干渉していいものなのか?拙い、原作とだいぶかけ離れているぞ……)』
敦「芥川が唸ってる!?だ、太宰さん!僕、変なこと云いました!?」
太「真逆、寧ろ善く云ったよ!」
敦「えっ、ええぇぇ」
『ブツブツ……』
敦「あ、芥川?大丈夫か?」
芥川は目を伏せて周りに聞こえないくらいの音量で何かを呟いていた
『僕は別に鏡花はどうなってもいい、然しそれで彼女が命を落としたら……いや、鏡花に限ってそれは無いだろう……いやいやでもこの世界は何が起こるか判らないしな』
敦「ん?この世界?」
『貴様、虎の耳を立てて盗み聞きとは感心しないな。表へでろ、八つ裂きにしてやる』
敦「わぁ!悪かったって!いいから羅生……門……を……」
『……?ん、何だ』
敦「いや、その白い……外套、何故か……懐かしいなって思って」
『……ほう、懐かしいか』
芥川が珍しく口元を綻ばせ白い羅生門を撫でる
敦は不思議そうにそれを凝視する
『此奴はな、“純白ノ番人”なのだ』
敦「“純白ノ番人”?じゃあ黒いのは」
太「それは“漆黒ノ死神”だよ。“純白ノ番人”の対になるモノだね」
『然り、僕の羅生門は何かを守ることも出来る』
敦「じゃあその白い外套を着て探偵社に来れば!」
『黙れ単細胞、人殺しが簡単に探偵社に行けるか』
溜息をついて深く座り直した
そして店員を呼んでオレンジジュースを頼んだ
太宰は女店員に心中を頼んでいたが芥川に殴られ撃沈
『この心中莫迦には珈琲をお願いします……お前は?』
敦「えっ、僕?いや、さっき飲んだから要らない」
太「敦くぅん、Aちゃんがオレンジジュースを頼んだら、話が長くなるんだよ〜」
敦「えっ?話が長くなる?」
『済みません、オレンジジュースを一つ追加で』
店員が去り、なんともいえない雰囲気が漂う
太宰は芥川に叩かれた頭をさすりながら肘を机に乗せ
手を組んだ
太「それで話とは?」
『判ってる癖に……組合が攻めてきただろう』
敦「真逆、お前の仕業か?」
『そんな無駄な事はせぬ、ゴホンッ……よく聞け敦』
鞄から袋を取り出す
それを敦の目の前に置いた
『お前はあらゆる組織から狙われている
───だから僕の前に二度と現れるな』
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時