第十六話『無イニ等シイ』 ページ17
『重症だけは避けたい、ん?僕が負ける前提ではないか……いやでも仮に僕が勝ったとしたら』
それは有り得るのだろうか?
矢張り原作を壊さない為にも負けるしかないのか
太「ねえ、芥川君。君が何に悩み、迷ってるか判らない。けどね、あまり溜め込み過ぎない方がいい」
『助言、感謝する。然し僕には不要な言葉』
すくっと立ち上がり出口へ向かう
太「君は本当に……」
『僕が此処に残っているのは僕の意志。太宰さんが其方に居るのは貴方の意志。その意志を変えるのはお互い、無いに等しいかと』
外套を揺らしてピタリと止まる
太宰に背を向けている為、表情が見えない
『……あと、その名を此処で呼ぶのはやめろ』
太「私は“芥川龍之介”より、Aちゃんが好きだよ」
『だから貴方にその名を知られるのが嫌だったんだ』
太「えぇ〜何で〜?」
『莫迦にされるからに決まってるだろう』
そう云って出ていく
一人残された太宰は溜息をついて項垂れた
太「ほんっと手強いなあ……」
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次の日
敦と鏡花は横浜の街を練り歩く。彼は鏡花の行動力に驚いた
そんな中、最後に行きたい場所があると云う鏡花だったが、目の前にあった建物は
鏡「あそこ」
交番だった
鏡「もう十分楽しんだから」
敦「でも!捕まれば君は死罪で」
鏡「マフィアに戻っても処刑される。それに──35人殺しは生きていることが罪だから」
その言葉に口を閉ざす敦
然し何か声をかけなければ……口を開いた時だった
────ドスッ!
敦「ゲホッ」
『処刑?』
敦の胸に黒いものが刺さる
それは……
『処刑などせぬ、お前は任務を為果せた』
羅生門も揺らめかせ不機嫌な芥川が立っていた
鏡「あ……」
警官「おい!何をしている!」
交番から警察官が飛び出してきたが
マフィアの構成員によって射殺された
『……お前の任務は“餌”
───お前には発信機が埋め込んである居所は筒抜けだ』
芥川の近くに大型トラックが停まった
フワリと敦の体が浮いてトラックの荷台に投げ入れられた
『……行くぞ』
鏡花の腕を掴み車へ無理やり連れて行く
運転席には樋口が乗っており心配そうに芥川を見ていた
樋「……先輩、行き先に変更は?」
『ない、行け』
こうして芥川達を乗せた黒い車は横浜の街を走っていった
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時