検索窓
今日:1 hit、昨日:57 hit、合計:906,342 hit

第十六話『無イニ等シイ』 ページ17

『重症だけは避けたい、ん?僕が負ける前提ではないか……いやでも仮に僕が勝ったとしたら』




それは有り得るのだろうか?
矢張り原作を壊さない為にも負けるしかないのか




太「ねえ、芥川君。君が何に悩み、迷ってるか判らない。けどね、あまり溜め込み過ぎない方がいい」



『助言、感謝する。然し僕には不要な言葉』




すくっと立ち上がり出口へ向かう




太「君は本当に……」



『僕が此処に残っているのは僕の意志。太宰さんが其方に居るのは貴方の意志。その意志を変えるのはお互い、無いに等しいかと』




外套を揺らしてピタリと止まる
太宰に背を向けている為、表情が見えない




『……あと、その名を此処で呼ぶのはやめろ』



太「私は“芥川龍之介”より、Aちゃんが好きだよ」



『だから貴方にその名を知られるのが嫌だったんだ』



太「えぇ〜何で〜?」



『莫迦にされるからに決まってるだろう』




そう云って出ていく
一人残された太宰は溜息をついて項垂れた




太「ほんっと手強いなあ……」



━━━━
━━




次の日


敦と鏡花は横浜の街を練り歩く。彼は鏡花の行動力に驚いた
そんな中、最後に行きたい場所があると云う鏡花だったが、目の前にあった建物は




鏡「あそこ」




交番だった




鏡「もう十分楽しんだから」



敦「でも!捕まれば君は死罪で」



鏡「マフィアに戻っても処刑される。それに──35人殺しは生きていることが罪だから」




その言葉に口を閉ざす敦
然し何か声をかけなければ……口を開いた時だった



────ドスッ!




敦「ゲホッ」



『処刑?』




敦の胸に黒いものが刺さる
それは……




『処刑などせぬ、お前は任務を為果せた』




羅生門も揺らめかせ不機嫌な芥川が立っていた




鏡「あ……」



警官「おい!何をしている!」




交番から警察官が飛び出してきたが
マフィアの構成員によって射殺された




『……お前の任務は“餌”

───お前には発信機が埋め込んである居所は筒抜けだ』




芥川の近くに大型トラックが停まった
フワリと敦の体が浮いてトラックの荷台に投げ入れられた




『……行くぞ』




鏡花の腕を掴み車へ無理やり連れて行く
運転席には樋口が乗っており心配そうに芥川を見ていた




樋「……先輩、行き先に変更は?」



『ない、行け』




こうして芥川達を乗せた黒い車は横浜の街を走っていった


.

第十七話『虎ノストラップ』→←第十五話『電車爆弾テロ』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (437 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
861人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。