swim１３(side : 仁科譽) ページ13
HRが終わりいつものように部室で水着に着替え、さぁ今日も泳ぐぞ！と気合いを入れたと同時に磯村先生の声で校内放送が流れた。
磯村)『水泳部全員、ミーティングルームに集まれ』
一虎) ｢えっ、今から！？｣
礼央) ｢今日ミーティングの予定なんてありましたっけ？｣
譽) ｢ん〜とりあえずみんなミーティングルーム集合ね！｣
全員ジャージに着替えミーティングルームに向かうが、そこにはまだ磯村先生の姿はなかった。
譽) ｢ねぇ親太郎、なんか聞いてる？｣
森) ｢…いえ、僕も何も聞かされていませんね｣
トレードマークの黒縁メガネを中指でクッと上げるうちの優秀マネージャーくん。
でもその行動、嘘ついてる時にやってるの気づいてる？笑
マネが知ってるってことは都大会の選抜メンバー選出の件か？
いや、でもそれは来週タイムレースやるって言ってたな〜。
ここに全員呼ばれた理由が思いつかない。
磯村) ｢お待たせさん。よし、全員いるな｣
光希) ｢先生〜急に俺ら集めてどうしたんですか？練習時間もったいないんですけど〜｣
磯村) ｢ったく、せっかくお前らの練習に華があるもん用意してやったのにな〜｣
一虎) ｢鼻？｣
礼央) ｢そっちの鼻じゃないと思います｣
磯村) ｢まぁいい。おい、入ってくれ｣
磯村先生が声をかけたのは開けっ放しになっていた入口。
全員がそっちに向いた時、ミーティングルームに入って来たとあるひとりの生徒。
うちの高校にいるはずのない女子生徒。
｢｢｢｢！？！？！？！？！？！？｣｣｣｣
光希) ｢あー！この前のー！｣
磯村) ｢向こうのコーチからとある条件付だが借りてきた。なぁ？お前らにとって華だろ？笑｣
譽) ｢…なん、で…｣
磯村) ｢んじゃ、自己紹介してやってくれ｣
A) ｢はい。…えぇ〜先日はうちの部員がすいませんでした。東ヶ丘高校2年、宮本Aです。
普段は東ヶ丘男子水泳部のマネージャーですが、今日から週2でしばらくの間こちらの補佐を頼まれました。
他校生ではありますがよろしくお願いします｣
東ヶ丘の制服のスカートに、なぜか龍峰水泳部のTシャツを着たその女子は紛れもなくAで。
他のやつらが盛り上がる中、俺の思考は停止状態。
ただAを見つめ固まっていた。
一虎はそんな俺をニヤつきながら見ていたとか…。
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作者名：HINANO | 作成日時：2020年7月11日 17時
