検索窓
今日:15 hit、昨日:9 hit、合計:53,827 hit

4-11 ページ43

「これがほんの少し先の未来を歩んだ先輩のお言葉」

と俺がバッチバチに先輩らしく台詞をキメた後タイミングを見計ったかのようにけたたましく俺の携帯電話の着信音が個室中に鳴り響いた。


ちょっとごめんね、と佐久間に詫びてその場で出る。

その場で出る、がこの場では正しいのだろう。


「まだ佐久間と飲んでんの?」


さっきまで固有名詞を出さない優しさとか言ってた俺達もてんでびっくりしちゃうくらいどストレートなお玉様にひっくり返りそうになる。


その場で出る、がこの場では正しいを体現したかのような玉の声を


「もうそろそろ帰ろうとしてたって!」


と必死になだめながら、ビールをちびちび飲みながら半ば呆れているように頬杖をついてこちらを見る佐久間には悪いけどこれにてお開きという運びになった。


「宮田くん今日はありがとうございました!!!!!」

お会計を済ませ、店を出た後佐久間が直角90度寸分狂いもなくピシッとお辞儀をした。

さすが脅威の身体能力とグループきってのダンス担当なだけあって体の端から端までスッと伸びきっており、見ていて美しい。

「いいよ、俺が誘ったんだし気にしないで」

そもそも佐久間を慰めるために今日の会があったんだからね、という台詞は心の中だけに留めておいてふわっと笑う。

お酒のせいで笑顔がふにゃふにゃしてるかもしれない。

4-12→←4-10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (86 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
207人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年6月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。