unti-pirot

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向井「ほんで、お怪我の具合はどうなん？」
おおよそ街の中とは思えない程の優雅なティータイムの空間が広がる中、話題に上がるのはやはり阿部の怪我の事だった。
感情が読めない故に、その怪我がどれほどのものなのかというのも計りかねるのだ。
目黒「まだ完治はしてない。おかげで主様の事永遠に出来ない」
一生しなくていいよ、なんて言いたげな佐久間の視線が向けられる。

向井「ぱっと見平気そうに見えるけど、やっぱり中々の怪我やったんやなぁ」
目黒「役員嫌い。碌に使えないくせに武器だけいっちょ前」
向井「んふふ、でもどんだけ毛皮がええもんでも、中身が貧弱やったら食われる運命やろ？」
目黒「いい情報掴めたんだ」
向井「叩けばよーさん出て来たわ」

ラウール《ぴーんぽーんぱーんぽーん！はいはぁい！最高に無垢なクソッタレ共〜！元気〜？みんなの天使・ラウちゃんの楽しい楽しいradioのお時間ですよぉ！》
かけっぱなしになっていたアンティーク調のラジオから、つい先刻まで会って話していたラウールの声が聞こえてくる。
目黒「康二、顔ニヤけてるよ」
向井「んふふ」
緩ませた頬に、ラズベリーパイを放り込む。
甘酸っぱいそれは、向井の優越に拍車を掛けるだけだった。

ラウール《本日はいつもの目潰しカラーの情報屋からサイッコーにクレイジーなニュースが入ったよ〜！どうやら、25番街と街の外の狭間にある研究施設に政府がとっても肩入れしてるんだって〜！何それ超キナ臭いんですけど！マジウケる〜》
向井「ちょっとぉぉ！！目潰しカラーって何！！俺のお気に入りやのに！」
目黒「でも主様も目が痛いって言ってる」
蛍光色に身を包んだ向井は確かに「目潰し」と言うのは的を得た意見だろう。

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