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「あらららら、大変そうやなぁ！」
他人事のように訛りの入った声をあげる蛍光色の服を着た青年は、見事に銃撃や何やらを交わしながら積み上がった違法建築をパルクールよろしく駆け上がっていく。
｢ども〜！お届け物でぇ〜す！｣
そうして彼が辿り着いたのは絶賛マフィアの抗争中の一室。
彼がお届け物なんて言った言葉も聞こえておらず、されども彼は臆する事なく部屋の中へと入っていく。
｢ふーっかさん！｣
｢あれ、早かったねぇ｣
｢俺の体力舐めんといてぇや！あ、ほんでなぁ、言ってた情報、掴めたで？｣
｢へぇ？｣
紫色の虹彩、なんて変わった瞳を輝かせる男は、彼が見せた資料の束に手を伸ばす。
｢give me money?♡｣
ひらり、と躱すように資料を上にあげて代わりに空っぽの左手を差し出せば、男は呆れたように笑いながら立ち上がる。
背後のトランクケースから札束を2束取り出して空いた左手に差し出す。
しかし彼はうぅん、と唸るだけだ。
｢…ご不満？｣
｢もう+2｣
その言葉に男は1束を彼に投げる。
｢+1、もう+1は情報次第｣
｢んふ、交渉成立で！｣
渡された資料を男が呼んでいると、大柄な男が横から顔を覗かせた。
｢うわ、照、血腥いよ｣
｢わり｣
スリーピーススーツのジャケットはどこかに脱ぎ捨てたらしい、腕まくりされたシャツにも戦闘の跡がくっきりと残っている。
｢んで、どうなんだ｣
｢あぁ、あの組織が唆したんだ｣
｢えぇ情報やと思ってんけどなぁ〜｣
わざとらしく、ぷくりと頬を膨らませ言う彼は被っていたキャップをくるりと後ろへ回す。
その彼に向けて、変わった瞳の男は札束を投げ捨てた。
｢持ってけドロボー｣
｢Thanks♡｣
大柄な男は再び戦場へと戻って行った。
デザートイーグルを轟かせ、その長い足で蹴りを入れる。
｢照怖いねぇ｣
｢ほんまやなぁ！｣
野次馬の言葉を無視して、一切の敵を蹴散らす。
戦場の覇者みたく最後に1人生き残る彼は、流した赤髪を掻き分けると、ふぅ、と煙草に火をつけた。
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ch(プロフ) - 湊都様 はじめまして。唐突なコメント失礼致します。本日のmmabラジオを聞いて湊都様の主様と番犬(敬愛心)がまさにそれだと思いこの作品書いてくださったお礼をなんとしてお伝えしなければと馳せ参じました。主様と番犬共大好きです。これからも創作頑張ってください。 (2020年8月27日 23時) (
レス) id: b9b0fe572d (このIDを非表示/違反報告)
皇玲太(プロフ) - 毎度思いますけど、ホント最高です (2020年8月22日 18時) (レス) id: 293e872a7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ - お疲れ様でした！今回も楽しませていただきました！このシリーズたちの文庫版が欲しい…。次回も楽しみにしています！ (2020年8月22日 0時) (レス) id: deb2d46d42 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - ルカさん» ご指摘ありがとうございます！直させて頂きます！ (2020年8月12日 10時) (レス) id: a535406d45 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 【笑みを絶やし続ける】だと【笑っていない状態が続く】ことを意味するのだと思うのですが、、、間違っていたらすみません。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: d9cf94c870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年8月4日 9時
