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夕刻、深澤がバーへ向かおうと支度をしていると無線通信が飛び込んできた。
深澤「はいはぁい」
岩本『ふっか、今どこにいる、何か異常はないか!?』
深澤「え?家だし何も異変はないけど…」
酷く焦った声だ。訳を聞けば、捲し立てるような声がトランシーバーから聞こえて来た。

岩本『さっき下っ端が情報掴んできた、うちの派生組織のモンがお前の情報政府に売りやがったんだ』
深澤「俺の情報?」
岩本『きっと裏切り者の仕業だろう、暫く狙われる可能性が高い!俺が暫く護衛に、』
その刹那、近場の銃声と共にガラス窓が割れた。
深澤「……確かに狙われてるね」
岩本『すぐに向かう、隠れてろ、死ぬんじゃねえぞ』
深澤「大丈夫だって、死なないよ」

一方的に切られた無線を下ろし、深澤は右肩の方をチラリと見る。
見事なまでに突き刺さった銃弾を引き抜いて、僅かに着いた血痕を丁寧に拭き取って床に投げ捨てた。
深澤「残念だったね」
今頃これを撃ったスナイパーは恐れ慄いているかもしれない。
ピリッとした微かな痛みと少しだけ残った切り傷に絆創膏を貼り、深澤はソファに腰掛ける。

深澤は、普通の人間では持ちえない肉体の持ち主だった。
いいや、そういう風に「されてしまった」と言った方が正しいか。
彼の軍属時代の仲間8人が全員天寿を全うする日まで、彼はその命を終える事が出来ない。
…この「街」にいる8人と全く同じ顔で全く同じ名前の、されど確かに同一人物ではない仲間。
この紫煙を象ったような世にも珍しい「紫色」の瞳が、彼のそんな「呪い」を象徴するかのようにテラテラと輝いている。

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ch(プロフ) - 湊都様 はじめまして。唐突なコメント失礼致します。本日のmmabラジオを聞いて湊都様の主様と番犬(敬愛心)がまさにそれだと思いこの作品書いてくださったお礼をなんとしてお伝えしなければと馳せ参じました。主様と番犬共大好きです。これからも創作頑張ってください。 (2020年8月27日 23時) (レス) id: b9b0fe572d (このIDを非表示/違反報告)
皇玲太(プロフ) - 毎度思いますけど、ホント最高です (2020年8月22日 18時) (レス) id: 293e872a7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ - お疲れ様でした!今回も楽しませていただきました!このシリーズたちの文庫版が欲しい…。次回も楽しみにしています! (2020年8月22日 0時) (レス) id: deb2d46d42 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - ルカさん» ご指摘ありがとうございます!直させて頂きます! (2020年8月12日 10時) (レス) id: a535406d45 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 【笑みを絶やし続ける】だと【笑っていない状態が続く】ことを意味するのだと思うのですが、、、間違っていたらすみません。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: d9cf94c870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年8月4日 9時

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