【あんスタ】For You【葵ひなた】【完】 (ページ6)

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思ってページ6

夜。

俺とゆうたくんは、ひっきりなしに送られてくる彼女の情報に手を焼いていた。

やれＳ高に進学しただの

就職しただの

県外の高校に進学しただの。

「ありがとう」と返してはいるけど、実際有力な手掛かりはない。

「ゆうたくん、何か情報はあるー？」

「ないよ。アニキのほうも、これといった情報ないんだろ？」

どうしよっか、と天井を見上げる。

ついさっきまでうるさかったスマホは鳴りを潜めている。

送ったメッセージのほとんどに返事が来た。

まだ返信が来てないのなんて、ほんの一握り。

何でこんなに情報が違うんだろう。

うんともすんとも言わないスマホをテーブルの上に置いてぼーっとすること数十分。

数十分ぶりに、スマホの通知音が部屋に響いた。

メールが一件届いています、という無機質なメッセージ。

ためらいなく開く。

『Ｔ高に通ってる従妹が言ってたんだけど、

一年にすごく賢い子がいるんだって。

その子の名前が、確か浅井Aだったと思う。

違うかもしれないけど…』

「ゆうたくん、これっ」

「ん？…Ｔ高って、確か夢ノ咲の近くにある私立高校だよね。

あの中学校からあそこに行くっていう人、確かにいなかったかも。

浅井さんはＴ高ってことで間違いない…のかな？」

こてんと首を傾げたゆうたくんの言葉に、夢中で首を縦に振る。

「明日行ってみよう！校門で待ち伏せしてさっ」

いつもは「ダメ」って協力してくれないのに、

「仕方ないなぁ」ってゆうたくんは笑った。

「じゃあ、明日の放課後に行くよ。おやすみ、アニキ」

「おやすみー」

ゆうたくんが部屋から出て、俺は枕に顔をうずめた。