【あんスタ】甘い青春【短編集】 (ページ1)

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流れる星に願う星 #衣更真緒ページ1

『……。』

ああ、今日も隣の彼女は居眠りをしている。机の上には彼女に似合う赤縁のメガネ。

授業を放って居眠りなんて、まるで俺のよく知る幼馴染みのよう。

今日はどうやら星空の下にいるらしく…。

『…な、がれ…ぼし……わた、しの…おねが…い……。』

チャイムと重なって彼女のお願いは聞き取れなかった。

「Aちゃん、起きて。授業終わったわよ。」
『んん……ふぁ…なるるんおはよう…。』

彼女はこしこしとまだ眠そうに目をこすってメガネをかけた。

ガラ

「Aー、ボールペン返しに来たよー。」
隣のスバルか…。

『わざわざありがとう…。』

「まーた寝てたの？」

そんなスバルの言葉に『窓際暖かくて…。』と、はにかみながら答えた。

俺は彼女をよく知らない。
大きいセーターの袖を制服から出して着るのが好きなこと。
甘党だということ。

それくらいだ。

『わたしは、衣更くんのことすごいと思うよ。器用だし、要領いいし。』
「あっ、じゃあ俺帰るね。次体育だから。」
スバルは風のように去っていった。一体何の話をしていたのか。

「おう。」
「そう言えば、今日は何の夢見てたんだ？」

『今日はね、一人で流星群を…ッ！まさか、わたしのお願い聞いてた？』

「いや。チャイムで聞こえなかった。」
すると彼女は、あからさまに喜んで『そっか！』と笑った。

……可愛いなぁ…なんて。

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続きます。