54 ページ4
***
「財閥の娘…?」
大貴「そ、白井財閥。
家電やテレビゲームとか手掛けてるの。」
.
白井財閥…
私も知っている。
今は中島財閥とも関係を築き、
成長を遂げる大会社…
.
大貴「白井財閥の娘である優雪はお前と違って
金も権力も持っている。」
「え…」
.
大貴は、何を言ってるの…?
そんな言い方、まるで、まるで…
.
大貴「白井財閥の代表取締役…優雪の父さんにも会って
俺と優雪が卒業したら結婚の約束をした。」
「……っ。」
.
その場に崩れ落ちそうなほどの絶望が
私を襲った。
.
頭が真っ白になる。
苦しい…
まるで誰かに、心臓を思いきり
掴まれたみたい。
.
大貴「だから優雪と付き合うことにした。
優雪はお前と違って俺を幸せにしてくれるから。」
「…っ。」
.
大貴「俺を恨んでも構わない。
でも、俺とお前が付き合ってた事は
優雪には言わないで。」
.
何で、こんなこと言うの。
ポロポロと涙が零れ落ちる。
あの頃の大貴はどこ?
目の前にいるのは、本当に大貴…?
.
大貴「話はそれだけ。」
.
財布からお札を取り出して
席から立つ大貴。
.
頭に浮かぶのは、高校時代の大貴と、
大貴と別れたあと、ずっと一緒にいてくれた涼介。
.
涼介に、なんて言えばいい?
涼介はずっと励ましてくれた。
諦めるなって喝を入れてくれた。
.
なのに、なのに…
.
「……っ、ぅう…」
.
“この世界から消えてしまいたい”
神様に初めて願ったこと。
心中はブルーを越えた
真っ黒な何かで染まっている。
.
ねぇ、大貴はどうして私を好きになったの?
本当に好きだった?
大貴の人生に、私は必要だったの…?
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 915人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりも
| 作成日時：2020年2月22日 22時
