30 〈グレた話〉 ページ30
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総長の気分によってその後一日の行動が決まるドラケンの一日は、いつしか万次郎を起こしに行くことで始まるようになった。
今日もまた体に染み付いたルーティーンに則って、道場も兼ねている立派な屋敷へとやってくる。
屋敷の庭に来た後は、大体は食事を取っている万次郎の名前を叫ぶ。
しかし今日はいくら呼んでも返事がない。こういう日はまだ自室で寝ているので、大人しく母屋の隣に構えられた万次郎の部屋を訪れた。
扉を開けたドラケンは目を見開いた。
なにせうちの総長がダラダラと汗をかきながら自らの元へと飛んで来るものだから。
命の危機を感じたドラケンは咄嗟に体を捻って万次郎の突進をかわす。
普通の人間ならばそのまま地面と熱烈チューをするところだが、流石は無敵。避けられたことを認識した瞬間反射的に足に力を込め、重心を支えた。
「なんで避けんだよケンチン！」と怒る総長だが、誰だって闘牛の如く突進されれば避けるだろ、とドラケンは呆れた。
「てか、Aはどした。今日は先に飯行ってんのか？」
「そう！そのAのことなんだよ！」
「？？？」
辺りを見渡してもあのちっこい姿が無いので尋ねてみれば、部屋に戻ってきた万次郎が突然いじけ始める。
情緒どうなってんだよ、と思うドラケンだが、冷静に考えてみるといつものことなのでなにも言わなかった。
取り敢えず、今回の件にAが関与していることは分かった。
Aのこととなると面倒臭さに拍車のかかる総長を見下ろし、ドラケンは長く息を吐いた。
Aというのは、二ヶ月程前にここへやってきた少女のことである。
日本人離れした容姿に加えてなにをしても無口な様には、誰もが西洋の洒落たドールを思い浮かべた。
一部隊員の間では『東卍唯一の癒し』と称されているが、今のところ本人達の耳には入っていない。
「……Aになんかあったのか？」
話を聞き出さないことには事が進まなそうな気配を感じ、半ば諦めの気持ちで万次郎に質問を投げかける。
するとソファーで愛用のタオルの端っこをイジイジしながらいじけていた万次郎が「待ってました！」と言わんばかりに顔を上げ、背もたれに抱きつきながらドラケンの方を振り返った。聞かなきゃ良かったと後悔しても時は既に遅い。
「ケンチン聞いてよ！！Aがグレた！！！」
「……は？」
軽く宇宙を彷徨い始めたドラケンに、万次郎はもう一度叫ぶ。
「だから！！Aがグレたんだってば！！！！」
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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