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ひどく嫌な予感が寝起きの万次郎の胸を掠めた。
ドクドクと嫌に煩い心臓を、一度拳で叩く。黙れ、まだ分かんねぇだろ。
そう頭では思いながらも、部屋を出る彼の手にはしっかりとAの香りを残したタオルケットが握られていた。どう足掻こうとも不安なものは不安だ。彼はそこまで強くない。
そして一応携帯電話も持ってきていた。いざという時すぐに連絡する為だ。誰かにするかは彼もまだ決めていない。この時間に連絡して出てくれる人間と言えば、総長が怖い隊員達か世話焼きなドラケン辺りくらいだろう。
「A……A……」
タオルケットの端を握りしめ、それをズルズルと引きずる。
ぺたぺた、ギシギシ。素足で板張りの床を歩く音だけが廊下に反響した。
まず初めに確認したのはトイレだった。明かりがついていないこと、そして一応中も確認し、バタンと戸を閉める。
次に確認したのは居間だった。夜中に寝れなくてテレビを見ているのかもしれない。しかしそんな予想も外れ、居間はもぬけの殻。隣接しているダイニングルームや客間も覗いたが、Aの姿はない。
寝ているエマには悪いと思いつつ、彼女の部屋も覗いた。もしかしたらエマのベッドに潜り込んでいるのかもしれない。結果、小さな影は見つからなかった。
ただでさえ心細くなる深夜。
不安が爆発しそうな万次郎は、つい寝ているエマの肩を揺らした。
「エマ、エマ、ねぇ、起きてよ、エマ」
「んん……まいきー……？なにぃ、こんな時間に……」
「Aが居ねぇの。どうしよ、アイツ出てったのかも。靴も減ってなかったから、アイツ多分、裸足で出てった。オレ、どうすりゃ良い？」
「えっ、どーゆうこと？いつから居ないの？」
「分かんねぇ。オレもさっき起きたばっかで、隣見たら居なかった」
兄の言葉にエマは飛び起きる。まだ探していないところと言えば道場だったが、「ウチも探す！」と息巻くエマと一緒に鍵をくすねて侵入しても、それらしい影は見当たらなかった。
本格的に出て行った説が濃厚になり、兄妹は顔を見合わせる。
彼らにとってみれば、Aが出ていく心当たりはない。しかしどこを探しても見つからないのは事実で、二人して同じ相手に電話をかけた。一歩早く電話が繋がったのは万次郎の方だった。
普段なら「バカマイキー！」とキレるエマも、今ばかりは大人しく携帯を畳む。
《……どーしたマイキー。嫌がらせか？》
「ケンチン、頼む、助けて」
《……何があった？》
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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