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「おい、Aっ！！無事か？！？」
焦る場地の視線の先には、押し入れから落下して畳に蹲っているAの姿。
予想だにしていなかった事態を目の当たりにした場地は、あまりの驚きに、椅子から転げ落ちるようにしてAの元に駆けつけた。
蹲っているAを抱き上げると、鼻から下が血で真っ赤に染まっていた。ポタポタと滴り落ちる鮮血が畳にシミを作る度、場地の顔からも色が消えていく。
「オマエ、鼻血出てんじゃねぇか！ちょっと待ってろ！今ティッシュ持ってきてやっからな！！」
言いながらダラダラと血を垂らすAの鼻に近くにあったTシャツを押し付け、それを小さな手に押さえさせる。
「絶対ェ離すなよ？！」と叫んだ場地はドタドタと足音を立てて部屋を飛び出して行った。扉の向こうからはドタバタと物の飛び交う音が響いてくる。
やがて大量のティッシュを箱ごと持って戻ってきた場地は、すぐに血を吸い込んだTシャツを後ろに放り投げ、丸めたティッシュでAの鼻を押さえ込んだ。
その際、しっかりと顔を下に向けさせたのは流石というべきか。よく怪我をすることがこんな形で功を奏するなんて、誰も予想していなかったに違いない。
「マジでビビった。マジで心臓止まるかと思った。なに押し入れから落ちてんだよ、心配かけさせんじゃねぇよ！」
「……ごえ、ださ……わういこ……ごべんなざ……うえぇっ」
「ああああバカッ、誰も謝れとか言ってねぇだろーが？！」
場地をよく知っている人間ならば、今の彼が半ギレ状態で応急処置しているのも心配からだとすぐに推測出来ただろう。
だがAと場地の関係はまだそこまで深くない。
額面通りに怒られていると感じたAは、痛みでは溢れてこなかった涙を滲ませて「ごめんなさい」と謝罪を繰り返す。
鼻が押さえられているせいで上手く発音出来ていないが、そんなことにも気づかないほどに、少女は混乱していた。
親以外の前で鼻血を出してしまったことにも、それを丁寧に治療してもらっていることにも、場地の服を血塗れにしてしまったことにも、悪いことをしたのに「謝るな」と言われる状況にも、全てが過去に無かったことで、ただただ泣くことしかできない。
「止まったか……？」
ひっく、えっぐ、としゃっくりを繰り返す少女の鼻には、不格好なティッシュの鼻飾り。それを見た場地は困ったように笑った。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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