第四十一話 放置 ページ43
「…拗ねてます?」
「…拗ねてません。この私が拗ねるわけが無いでしょう!!」
とは言ってるが明らか拗ねたような顔をしている滝夜叉丸。
天女相手に拗ねるのかこいつは。
珍妙な物を見るような目で天女はAを見ていた。
あの後滝夜叉丸を放置して綾部と歩いていたところ猛ダッシュで追いかけてきた滝夜叉丸。
「話を…最後まで…聞いてください!!」
「だってどうせお前のまたいつもみたいな自慢話だろ?僕聞き飽きたんだけど…」
「だぁからって天女様まで連れていくことないだろう!?」
「いや、天女様は自分で僕に着いてきたんだけど。」
「なぬ!?」
「えぇ、まあ。私も何回か聞いてるので…」
君にとっては初対面だろうから長引きそうで…すみません。と続けて言っては見たがどうやら滝夜叉丸には聞こえていないようだった。
「つまり私の存在が他の世界に知られていると…」
「ふ、ふふふ…
ははは!!やはり私は別世界にも名を轟かすスーパースターなのだ!!!!」
滝夜叉丸は盛大に声を上げて笑い悦に浸りだした。
あぁこれはまた長引くやつだ。
綾部もそう思ったのかジトリとした目でこちらを見ていた。
顔から余計な事を言いやがってという面倒くさそうなオーラが滲み出ている。
申し訳ないとは思っているけど…
“僕行きますね”
とはあとため息をつき、口パクすると綾部は校庭の方にまた歩を進めてしまった。
またどっか行って煩くなられても困るのでその辺にあった木に腰掛け話終わるのを待っていた。
五分くらい経ったのだろうか。
ようやく滝夜叉丸の一人語りが終わり静かになった。
満足したのか滝夜叉丸は私からおよそ1人分くらいの距離を開けて座った。そして冒頭に戻る。
「そうですか〜。」
「そうに決まっているでしょう!!この教科も実技もナンバーワンの平滝夜叉丸がクラスメイトと天女様に置いていかれたからって拗ねるわけないじゃないですか!!!!大体、この忙しい人間平滝夜叉丸が時間をぐだぐだぐだ…」
雲ひとつない…とは言いきれないが澄んだ空と暑い日差しをカバーするように影を作る木葉がとても心地よい。
たまには日向ぼっこも良いものである。
「…体育委員会は活動こそしてはいるものの昔のように全員で裏山や裏裏山、裏裏裏山にマラソンをしに行ったり塹壕掘りをする機会が減ってしまいました。」
いつの間にかBGMにしていた滝夜叉丸の話がいつの間にか真面目な話題に変わっていた。
ごめん途中まで聞いてない。
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うん! - ほうじ茶さん» お褒め頂きありがとうございます。これからも楽しんでいただけると幸いです (1月21日 2時) (レス) id: 7fb5738de5 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - 今まで読んだ天女作品の中でダントツ面白いです!こういう性格の子好きです (1月18日 23時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うん! | 作成日時:2023年12月24日 1時