殺人遊戯−12− ページ12
白井は泣きながら首筋にナイフを近付ける。
「あなたの人生は、あなたのものだよ」
ミコトの優しい声に、白井はナイフを下ろして生中継を切ると椅子から立ち上がった。
それをイヤホンを通して聞いていた４人。みんな神妙な面持ちをしている。
Aの瞳から一粒、涙が零れた。
『ミ、ミコト……っ』
「なんでお前が泣くんだ」
中堂はAの頭を撫でると、服の裾で零れた涙を拭う。
その仕草があまりにも自然で優しいものだったから、夕子はついその光景に見惚れていた。
「(やっぱり、中堂さんAには優しいなぁ……)」
『早く、白井くん見つけてあげないと』
「ああ」
その時、久部があるものを見つける。
「Aさん、中堂さん、東海林さん、これ！」
久部は“解体工事のお知らせ”という看板を見つける。
辺りを見回すと、廃アパートの一室に明かりがついていた。
「あの窓！」
４人はそこに白井がいると見当をつけ、アパートの中に久部と夕子は入っていく。
中堂が反対側に回っていくのをAも追いかけた。
『中堂さん、』
「離れろ。窓を割る」
『はい』
窓を割って鍵を開けると部屋に入って行く。
すると白井の姿がすぐ見つかった。中堂は叫ぶ。
「落ち着け！」
突然の侵入者に驚いて、白井はナイフを首もとに当てる。
「俺たちは三澄先生の仲間だ」
白井は動かない。中堂はゆっくり近付いて手を差し出す。
「よこせ」
「横山は死んだ」
「ああ」
「僕だけが……生きてていいのかな」
「死んだ奴は答えちゃくれない。この先も」
白井から涙が溢れる。
「許されるように生きろ」
そう言って中堂は更に近づくとナイフを取り上げ、固く握られたその白井の手を上から握った。
『白井くん……辛かったね』
そう呟くと横から白井を抱きしめた。Aの瞳にはまた涙が浮かんでいる。
夕子は隣室で横たわる横山に白衣をかけてあげると、優しく背中をさすった。
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鞠香(プロフ) - ともみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月19日 19時) (
レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - おもしろい！更新楽しみにしてます！ (2018年3月19日 2時) (レス) id: f743b881db (このIDを非表示/違反報告)
鞠香(プロフ) - 青龍 葵さん» こんにちは。ドラマの疾走感凄かったですね！完結はもう少し先になりますが、それまでお付き合い頂けると嬉しいです！優しいお言葉ありがとうございました。頑張ります！ (2018年3月17日 18時) (レス) id: 3fdde94521 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - あっという間にドラマ終わっちゃいましたが、どのような最後（完結）になるんだろう？中堂さんとの関係は？とか思いながら、まだまだ完結は先かと思いますが無理のない程度で頑張って下さい！更新、楽しみにしてますｗ (2018年3月17日 4時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞠香 | 作成日時：2018年3月11日 14時
