過去を捨てて【中堂系】

不自然２５ ページ34

クソ、なんて零しながらエレベーターを待つ系くんを見つめてると、一つ発見。


「待って、ネクタイがずれてる」
中「さっきおかしい所ないって言ったくせに、何なんだ」
「系くんが緩めるからでしょ！」


整えてあげると、案の定すぐに緩めた。
あぁ〜、せっかくちゃんとしてあげたのに。





そうこうしているうちにエレベーターが来たから、一緒に乗り込む。



中「…何でついてくるんだ」
「今言ったじゃん、見に行くからって」
中「俺も言っただろ、来るなって」



ああ言ったらこう言う、幼稚園児・中堂系くんの言い分を無視して、一緒にラボを出た。




・




夕「ちょっと六郎、今の見た！？」
六「…中堂さんもあんな優しい顔するんですね」



・




系くんと二人で裁判所に向かっている途中、そういえば、と気になっていた事を聞いてみた。



「ミコトが坂本さんの所に行ったって聞いたんだけど、私が話つけたから大丈夫って言わなかったっけ？」
中「聞いた」
「ならどうして？ミコトが坂本さんと話す事ないでしょ？」



系くんは言いにくそうに、ネクタイをまた緩める。
それ以上やったら解けちゃうじゃん、もう。



文句を言いながらまた整えてあげると、
その手を掴まれた。



中「俺のせいで、お前が縛られるのが嫌なんだ」
「私は系くんのそばで仕事したいからいいんだけどなぁ…」
中「折角の誘いだ、受けろ」





それだけ言うと、掴んでいた手を離して一人で歩いて行ってしまった。

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