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予定外の証人−07− ページ26

次は烏田検事からの質問。


「法医学の権威である草野教授によると左利き用の包丁であってもあのような傷が残ることがあるとおっしゃっています」

「その事例の鑑定書を見せてください」

「あなたは草野教授の1万5千件におよぶ解剖実績を否定なさるんですか。あなたの方が優秀だと?」

「この事例に関しては草野教授の見解が間違っていると思います」

「前回あなたは検察側の証人として出廷しており『凶器はこの包丁に間違いない』と証言したんですよ」

「矛盾しないと言ったんです」

「どうして意見を変えたんでしょう」

「3DCGを見て矛盾に気付いたからです」

「どうして事前に確認しなかったんですか。証言するにあたって必要な証拠確認を怠った。そう言うことですよね?」

「それは……3DCGがあると知らなかったので」

「何故知らなかったんですか?」

「え、だって烏田さんが教えて下さらなかったんじゃないですか。余計なことはするなって」

「人のせいですか。責任転嫁は女性の特徴です。」

「はあ?」

「自分の確認不足を棚に上げて全て人のせいにして相手を感情的に責める。彼氏が相手なら結構ですが、ここは法廷です」


烏田の暴言に亀岡は手を上げる。


「異議あり!証人に対する侮辱です」

「認めます」


裁判官からの言葉に、烏田は深く頭をさげた。


「失礼しました。いやしかし、証言のたびに意見をコロコロ変えられては裁判員の皆さんも、混乱します。未熟な女性研究者の口車に被告人まで乗せらてしまった。神聖なる司法の場が女性の気まぐれで振り回されるとは由々しき事態です」

「異議あり!」


止めに入る亀岡に、ミコトは口を開く。


「気まぐれではありません。私は法医学者として鑑定の事実を言っているんです」

「ああ〜これだ。すぐ感情的になる。自己顕示欲が強いのは結構ですが法廷はあなたの自己アピールの場ではありません」

「裁判長!」

「以上です」

「ちょっと待ってください。私個人と証拠の価値は関係ないですよね。女女って好きで女に生まれてきたわけではありません。あなたは選べたんですか生まれて来る時に誰でも選べないですよね」

「三澄さん!」


時すでに遅し。
亀岡の制止は虚しく響いた。



.

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作品ジャンル:タレント
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カハラさん(プロフ) - 中堂先生のお話ないかな〜と探していたところ、こちらに辿りつきました。とても楽しいです!そして胸キュンしてます。ステキなお話を作ってくださってありがとうございます。 (2021年2月23日 8時) (レス) id: 1af5439158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 質問よろしいですか? (2020年12月26日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鞠香 | 作成日時:2018年1月31日 23時

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