Tell me why

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六郎くんを引き継いで作業をしていると、しばらくして系くんがあの記事を持って戻ってきてしまった。
なんでこの人に見つかっちゃうかなー。


｢事実は明々白々じゃなかったのか？｣

『系くん、そんな言い方しない』

｢ヒステリー女法医学者、格好の餌だな｣

｢そちらの訴訟どうなんです？坂本さんの代理人と会ったんですよね？｣


間違いない。この人にミコっちゃんのことをとやかく言う資格はない。なにせパワハラで訴えられてるのにその自覚がまったくゼロなんだから。


｢ああ、訳がわからなかった｣

『この人、パワハラで訴えられてることまったく理解していません』

｢何を持ってパワハラというんだ｣

｢今まで検査技師の人たちやめさせてますよね？｣

｢あいつらが勝手にやめた。俺は何もしてない｣

『開いた口が塞がらないとはこのことよね』


みんな何言ってんだこいつというような表情で系くんを見てる。
ため息ついて頭を抱えると、隣に座ってきた六郎くんに励ますように肩を叩かれた。


｢中堂さん、今まで言おうか言わまいかずーっとまよってたんですけど...｣

｢んー、なんだ？｣

｢中堂さんって、そうとう感じ悪いですよ｣

『｢ぶふっ！｣』


ミコっちゃんのその言葉に私と夕子ちゃんは一斉に吹き出す。最高！よくぞ面と向かっていってくれた、ミコっちゃん！


｢よ、よくはないかと｣

｢人の感じ方まで責任もてるかよ！｣

｢愛想振り撒けとはいいませんけど、立てなくていい角までたてることないでしょ｣

『ほんっとにそれ！言ってくれてありがとうミコっちゃん！』

｢...100、8回と言われた｣


なんと坂本さんは系くんがクソという数をカウントし、記録までとっていたのだ。


『これにはもうほんっと驚きを通り越して笑ったわ。しかもね、坂本さんの記録だと月曜日がクソっていう数多かったんだって』

｢いちいち記録してるなんて、信じ難い｣

｢108回も言う方が信じ難いです｣

『それだけクソのバリエーションを持ってるあなたが信じ難いよ、ほんと』


とりあえず謝っちゃえば丸くおさまるだろうにそれもいや、UDIをやめるのもいや、俺はなにがあってもUDIをやめないといって系くんはどこかに言ってしまった。
ほんとに手のかかる人だ。




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