検索窓
今日:86 hit、昨日:72 hit、合計:143,892 hit

その172 ページ30

敢「でも最近はコウメイのこと避けてるだろ。お前がそんなことするからコウメイが嫉妬すんだよ。」

私とあの取り引きをした時はけっこうやる気あったように見えたけど、そんなに落ち込んでたなんて知らなかった。

敢「あいつはこどもの頃に両親を亡くして弟とは離ればなれ、おまけに初恋の人も亡くして挙げ句の果てに唯一の肉親だった弟とも死別。ずっと一人なんだよあいつは。だからお前がそばにいてやれよ。」

『諸伏警部の変化に気付けるくらいなら、大和警部がそばにいてあげたらいいんじゃないですか?』

敢「そういう意味じゃねぇよ。あいつを幸せにしてやれるのはお前だけなんだよ。だから、お前がコウメイの家族になってやれ。じゃねぇと諸伏家は断絶するぞ。」

『…わかってますよ。でも、諸伏警部が答えを見つけてくれない限り、私にはどうすることもできません。』

敢「だからそんなもんほっといて」

『これは大事なことなんです。他人が口挟まないでください。』

空き缶を捨てて大和警部を一人残してその場を去った。

最近の私の冷たい態度にも悲しんでたなんて知らなかったし、もう大和警部の言う通り答え見つけるとか無しにして付き合っちゃおうかな。

いやそういうわけにはいかない。何事も初志貫徹、一度決めたことは最後までやり通さないと。それに組織のこともあるし。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

敢「ったく、頑固にも程があんだろ。なぁコウメイ、そこで聞いてんだろ?」

諸「そういう頑固なところもAさんの魅力の一つですけどね。」

敢「立ち聞きなんてしてんじゃねぇよ。羽田は気付いてないみたいだったけどな。」

諸「Aさんの声が聞こえたので来てみたら、敢助君が私の陰口を言っていて出るに出れなかったんですよ。」

敢「陰口なんて言ってねぇよ。俺はただ羽田に文句言っただけだ。」

諸「本当の目的は、Aさんが自分から私に答えを言うようにするためでしょう。」

敢「ああそうだ。これ以上お前らの揉め事に巻き込まれるのはごめんだからな。」

諸「まったく、余計なことを。君の助けがなくても、私一人で何とかできますよ。」

敢「なんだよ、せっかく手伝ってやろうと思ったのによぉ。」

諸「それが余計なんですよ。」

敢「ああわかったよ。じゃあ俺はお前らがどうなろうと知ったこっちゃねぇからな!」

諸「(答えはすでに掌中にある、敢助君の助けは必要ありませんよ。)」

その173→←その171



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
174人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おひたし | 作成日時:2019年6月16日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。