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その171 ページ29

『付き合えない理由聞いてこいって諸伏警部から言われたんですか?』

敢「んなわけねぇだろ。あいつが俺に頼むと思うか?」

『思いませんね。じゃあ目的は何ですか?』

敢「文句言いに来たんだよ。」

『文句?』

敢「コウメイと上原のイライラが俺に流れてくんだよ。」

『え?何で二人ともイライラしてるんですか?』

だいたいの予想はつく。私が諸伏警部を避け続けているから。もしくは単独行動。

敢「上原の方は、お前らの仲に進展がないって毎日俺に愚痴ってくんだよ。ほっとけって言っても聞く耳持たねぇし。」

『親身になって心配してくれるのが上原さんのいいところじゃないですか。』

敢「ああ、上原はまだマシなんだが、やっかいなのはコウメイの方だ。」

『諸伏警部が大和警部に愚痴るなんて想像できないんですけど。』

敢「愚痴なんてもんじゃねぇよ。って元はと言えば、お前がコウメイを嫉妬させるからいけねぇんだろうが!」

『えっ、嫉妬⁉』

敢「お前がサイバー犯罪対策課のやつと仲良さそうにしゃべってるところを上原が見たらしいぜ。」

確かに、ハッキングされない方法を教えてもらうためにサイバー犯罪対策課の人と何度か話した。

高木さんみたいな優男くんに聞いたら、とても親切に教えてくれて、年が近いこともあって仲良くなったのだ。

敢「それを知ったコウメイが嫉妬して、めんどくせぇ報告書とかを俺に押し付けてくるんだよ!俺は何も関係ねぇのに。」

私が別の男と話しただけで嫉妬してくれるなんて嬉しい。それに、嫉妬する諸伏警部を想像すると笑みがこぼれる。

敢「おい、何笑ってんだ。笑い事じゃねぇだろ。コウメイの嫉妬の受け皿になる俺の身にもなってみろ。」

『仲がよろしいようで羨ましいですね。』

敢「は⁉仲良くねぇし!上原とコウメイのイライラをさっさと解消してくれよ。」

『私がですか?』

敢「当たり前だろ。お前がコウメイと付き合ったら解決することなんだからよ。」

『そんなこと言われましても、諸伏警部がまだ答えを見つけていませんからまだお付き合いはできません。』

敢「羽田もコウメイも真面目すぎんだよ。そんなもんほっといてさっさとコウメイと付き合ってやれよ。」

『でも…』

敢「俺は昔からコウメイを知ってる。あいつがお前に振られて落ち込んでることくらい、俺にはわかるんだよ。」

『完全に振ったわけじゃないですよ。』

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作者名:おひたし | 作成日時:2019年6月16日 20時

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