その102 ページ7
次の日、仕事が終わると諸伏警部に呼ばれた。食事に行くというのは冗談ではなかったようだ。
諸「私との約束は覚えていますか？」
『もちろんです。でも本当に食事だけでいいんですか？』
諸「ええ、Aさんとは二人で食事したことはありませんので。では行きましょう。」
上原さんとはいつも二人でお昼を食べたりしてるけど、確かに諸伏警部とはしたことない。大和警部とはまず二人になったことがない。
諸伏警部の車に乗って連れられた先はお高そうなイタリア料理のレストランだった。庶民派ラーメンを選ぶ秀吉とは真逆だな。
『あの、もしかしてと思いますけど、あの時のこと恨んでます？』
諸「あの時とは？」
『秋山さんの事件(←県警の黒い闇編です)の時です。諸伏警部はパスタ食べたいって言ってたのに、私が蕎麦がいいって言ったから、結局パスタ食べられてませんよね？』
諸「そのこととは関係ありませんよ。この店は私のお気に入りの店でして、ぜひAさんにも来ていただきたいと思いましてね。」
お店に入ると席に案内され、メニューを見た。目ん玉飛び出るほど高いかと思いきやそうでもなかった。
私が休んでた間の長野県警の話を聞いていると食事が運ばれてきた。諸伏警部おすすめのパスタはとても美味しくてほっぺたが落ちそうになる。
諸「京都で事件に巻き込まれたと言っていましたが、本当に体調は大丈夫なのですか？」
『はい。京都では同僚以外にも妹や蘭ちゃんにも会えましたから元気もらいました。』
諸「妹さんにもですか？」
『そうです。蘭ちゃんの同級生でちょうど修学旅行に来てたみたいで偶然会ったんです。』
諸「久しぶりに兄弟に会うのはいいものですね。私も弟の様子が気になってきました。」
諸伏警部はヒロが亡くなったことを知らない。いつかは知ることだろうけど、今私から話すわけにはいかない。
『今までの話と全く関係ない質問があるんですけどいいですか？正直に答えてほしいんです。』
諸「何でしょう？」
『私って、個性的ですか？』
諸「え？」
『京都にいる同僚に私が個性的だって言われたんです。その人のほうが断然個性的なのに。それに自分では普通の人間だと思っていたので、周りからはどう見られているのかなって気になりまして。』
諸「確かに、Aさんは個性的ですね。」
『え⁉どこがですか⁉』
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作者名：おひたし | 作成日時：2019年5月28日 18時
