その125 ページ31
風「だから降谷さんはご存知だったんですね。」
『何をですか?』
風「羽田さんの心はテコでも動かない、他の男が動かすことは不可能だとおっしゃっていました。」
『テコでも動かないか…確かにそうかもしれませんね。でも、例外はありますけど。』
風見さんに連れられた先は警視庁内ではなく、お隣の警察庁だった。これは降谷さんがいる可能性大だな。
風「失礼します。羽田さんをお連れしました。」
風見さんがノックして入った部屋は応接室みたいな部屋で、中には案の定降谷さんがいた。今日はスーツを着ている。
零「ご苦労だったな風見。お前は仕事に戻っていいぞ。」
風「はい。」
風見さんは部屋を出て行ってしまった。風見さんの扱い雑すぎない⁉言ってくれたらここまで一人で来れたのに。
零「A、久しぶりだな。噂によると休暇中にも関わらず仕事に復帰したと聞いたが、体調は大丈夫なのか?」
『ご心配ありがとうございます。この前会った時からもう回復してましたよ。』
零「それは良かった。そこに座ってくれ。」
降谷さんに言われて近くのイスに座った。降谷さんは部屋のドアに鍵をかけていたけど、そこまで聞かれてはいけない内容なの?
零「これから重要な話をする。この話の内容はどんなに警察関係者や家族にも口外しないでほしい。わかったか?」
『はい。』
零「前に話したように俺は公安、ポアロ、組織の3つの場所で働いている。本業はもちろん公安だが、組織壊滅のために残り2つも請け負わなければならない。最近組織の動きが活発化してきて、3つを同時にこなすことが難しくなってきた。そこでだ、Aに俺の手伝いをしてもらいたい。」
『それは、降谷さんの協力者になるってことですか?』
零「いや、協力者ではない。公安になってほしいんだ。」
『公安に?その公安というのは警視庁ですか?それとも…』
零「警察庁のゼロだ。つまり俺のいる警察庁警備局警備企画課に入ってもらいたい。」
『ゼロに…』
零「Aには公安での俺の仕事を引き継いでもらうだけだ。何も組織に潜入しろなんて言わないから危険は伴わない。」
『ということは風見さんみたいにこきつかわれるんですね。』
零「そんなわけないだろ。Aの階級は俺とほぼ同じになるから、風見たちに指示を出したり書類を確認したりするんだ。」
『でも、どうして私なんですか?他にも降谷さんを手伝える人はたくさんいるじゃないですか。』
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年5月28日 18時