思い出〜別れのファーストキス〜 ページ36
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時は流れ、3年生の卒業式の日。
「A、ごめん…別れよう」
『え、なんで?』
「俺高校行って会えなくなってもマメに連絡出来ないし自信ないから、ごめん」
訳が分からないまま、泣きながら立ち尽くす私に、翔太くんは第二ボタンを握らせた。
「今この瞬間の俺は、Aの事好きだからこれはAに持ってて欲しい」
男子からも女子からも人気すぎて、ボタンも制服も剥ぎ取られて体操着になった翔太くん。
第二ボタンだけは好きなやつに渡したかったから、と呟いた。
そんなに好きでいてくれてるのになんで別れなきゃいけないのか。
どんなに考えても答えなんて出てこなくて。
「…Aなら、もっと良い奴いるよ」
『いないよ!翔太くんがいいの…連絡があんまり来なくなって、ずっと翔太くんを好きでいる!だから、別れるなんて言わないで…』
泣いてすがりつく私の腕を優しく解いて、顔を覗き込む。
涙こそ流していなくても、悲しげな顔で優しく微笑む翔太くんはそっと私の頭を撫でて引き寄せる。
手しか繋いだことがなかった私たち。
これから二人でゆっくり大人になって、色んな経験を翔太くんに教えて貰いながら進んでいくと思ってた。
『やだ、やだよ…』
「…A」
やっぱり別れない、と言って欲しくて、涙を拭って顔を上げて翔太くんと目が合う。
次の瞬間、目の前には翔太くんの顔。
私の唇と翔太くんの唇が優しく触れる感覚。
それが、ファーストキスであり翔太くんとのお別れのキスになった。
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momo(プロフ) - うな!さん» そう言っていただけると執筆意欲が湧きます🫶ありがとうございます!!! (6月6日 21時) (レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
うな! - マジで最高すぎます!!!!続きが楽しみすぎる…! (6月6日 18時) (レス) @page18 id: 4785f44992 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - さーちゃんさん» ありがとうございます(><)探り探りではありますが、もっとキュンキュンして貰えるように頑張ります🥰 (6月6日 12時) (レス) id: b42494bf86 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - キュンキュンします😍更新楽しみです😊 (6月6日 11時) (レス) id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momo | 作成日時:2023年6月5日 2時