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『第77話!変える力(1)』 ページ32

「タルカスだっー!!」

誰かが叫んだ直後、タルカスの大きな手がふいにハングライダーを突き破ってきた。そのままバリバリと、ハングライダーは一瞬にしてまっぷたつだ。

「む、無茶な奴だッ!あの高さから身を投げて突っ込んでくるとはッ!」

「た…建物へ乗り移れッ!地面に叩きつけられるぞッ!」

何とか足場が届く距離で良かった、着地…もとい、不時着は成功、皆にケガも無いみたいだった。
そして、当のタルカスはというと、谷底にほぼ真っ逆さま、直後遺跡の一角に激突した。

「タルカスのやつ、あの高さから石壁へ直撃かッ!」

「いくら屍生人とはいえ、骨肉はバラバラじゃろう!仮面をかぶったディオとは違い、肉体の再生能力はないから、もう動けんはず!」

ツェペリさんがそう言うのを、全力で"そうであってほしい"と願った。だって、私はすでに、あいつの頭に波紋を流し込んでるんだぜ?


だが、まぁ…現実とは非情なもの、というか。

望まぬ音がまたしても聞こえた。

ボキン、ボギンッ……

ちょうど骨肉の軋むような、折れて千切れて、それでも動こうとする筋肉のような音が。

そして見た。全身からドス黒い血を流し、なお這い上がってくるタルカスの姿を!

「な、なんてやつだッ!まさに戦うことが生きがいかッ!骨はボキボキに砕けているはずなのにッ!」

『嘘やん………必要以上にタフな身体しやがって……クソ!!』

「われわれの目的は、まずディオを倒すことだが、追ってくるなら仕方あるまい!タルカスのやつをここで片付ける!ジョジョ!そのガキンチョを建物の中へ避難させろ!」

ツェペリさんがそう叫ぶ。ジョースターさんが扉の重厚なノブに手を掛ける……

…アッ!アッアッアッ!!!!思い出したッ!!!


『その扉に触れるなッ!!!!!』

「なッ…おめー急にデケェ声出すなよなァ──ッ!!」

「えっ!?」

『……あぁっ…………!!!』

驚いたジョースターさん、振り向きざま、思わず扉を開けてしまった。

「なんだ!このおかしな手ごたえの……ッ!?」


暗闇から何かがジョースターさんに迫る。

それは首にする枷であり、その速度は余りにも速かったため、私に止める手段は無かった。

そのまま自由を奪われ、扉の中に一瞬で引きずりこまれるジョースターさん。
私は、立ちくらみを起こしそうになった。


でも、そうか……そうか。もう止められないのだ。



やるしかないのだ。今度こそ、私が。

『第78話!変える力(2)』→←『第76話!巨軀の戦士(9)』



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リリィなモモ(プロフ) - つ、続き!待たずにはいられない! (3月4日 6時) (レス) @page43 id: 6ff453207e (このIDを非表示/違反報告)
BOOK&「(.-. )」 - 更新頑張ってくれ!応援してます! (2020年12月27日 12時) (レス) id: 2cdf88906a (このIDを非表示/違反報告)
さむわん(プロフ) - アリアントさん» ア"ッッ…作者自身が脳内でそう呼んでいた為、完全に失念していました…。出会ったとき、「スッピー」と呼んでいいかと確認していたと、そういう事にして下さい……。ご指摘ありがとうございます。 (2017年12月2日 20時) (レス) id: 1d8895c809 (このIDを非表示/違反報告)
アリアント - そういえば、スピードワゴンさんスッピーって言っても何にも言わないんだね。 (2017年11月12日 20時) (レス) id: e93aa7ac9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さむわん | 作成日時:2017年6月25日 20時

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