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『第74話!巨軀の戦士(7)』 ページ29

多分吹っ飛ばされた。それに一瞬、気を失いかけていたかも知れない。

でも分かる。タルカスは先に行ったアイツらを捕まえて、その血を啜ろうとしているという事は。だが残念、あの二人組は、先に私が守ってやりたいと思ったんだ。今さら、これしきの痛みでッ……!!

吹っ飛ばされて倒れたまま手を伸ばし、地面に這わせる。
そうだな、土の色からして……

黄土色の波紋疾走(イエローオーカー・オーバードライブ)…!


静かでいい、ホンのチョットでいい、でも今自分で出せる、限界の範囲まで波紋を伝えるのだ…ッ!

そうしたら、私の希望通りの音が前方から聞こえた。

ズルリ…ドッゴォォォオン……!!

私が地面の表面に伝わらせた波紋がタルカスの足にまで届き、そしてその皮をチョットだけ溶かしたせいで、奴はそれにスベって転んだのだ。


痛みをこらえやっとの思いで立ち上がると、同じく立ち上がりかけているタルカスが鬼より怖い形相で睨みつけていた。……ビックリしてチビりかけたのはここだけの話である。

「貴様ァ……我らの食料の分際でェェッ!」

『食物連鎖というものは、正しく行われるべきものです。普通の生物でないと………その。』

…………ウン、ごめんなさいジョースターさん、そろそろヘルプというか……ウン、そっち行きますね、ボッチでの会話は!無理っぽいというかッ!


言葉の途中だが、耐えきれず崖の中腹へと飛び降りた。頑張って受け身を取ってジョースターさんらの方を見ると、ツェペリさんがチョイチョイとさらに崖下の地点を指差している。

見ると、垂直に切り崩されたような崖の向こうで、見事な遺跡が、星と月の光に照らされ、何とも言えない気配を発していた。荘厳であるような、不気味であるような。

『!これは、確か……』

「昔の騎士たちの修練場だよ…!遺跡なんだ、おばけが出るって、村じゃだれも近づかないよッ」

「あぶねえとこだったぜッ!落ちた場所がもうちょいとずれてりゃあ、この下にまっさかさまだったろうな…」

『ホッ…ポコ君もスッピーも、なんとか喋れるぐらいには元気そうなんでちょいとだけ安心……』

「ときにA。タルカスは…」

『ええ、ツェペリさん。足にもダメージは与えましたが、すぐ来るかと。…いや、もう既に!』


「ここに逃げ場などない。…では、ツェペリさん。」

「ああ、ジョジョ。Aも、例の波紋じゃ!」

『第75話!巨軀の戦士(8)』→←『第73話!巨軀の戦士(6)』



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リリィなモモ(プロフ) - つ、続き!待たずにはいられない! (3月4日 6時) (レス) @page43 id: 6ff453207e (このIDを非表示/違反報告)
BOOK&「(.-. )」 - 更新頑張ってくれ!応援してます! (2020年12月27日 12時) (レス) id: 2cdf88906a (このIDを非表示/違反報告)
さむわん(プロフ) - アリアントさん» ア"ッッ…作者自身が脳内でそう呼んでいた為、完全に失念していました…。出会ったとき、「スッピー」と呼んでいいかと確認していたと、そういう事にして下さい……。ご指摘ありがとうございます。 (2017年12月2日 20時) (レス) id: 1d8895c809 (このIDを非表示/違反報告)
アリアント - そういえば、スピードワゴンさんスッピーって言っても何にも言わないんだね。 (2017年11月12日 20時) (レス) id: e93aa7ac9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さむわん | 作成日時:2017年6月25日 20時

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