その1 ページ1
初恋の人が結婚した。
鳴り響くLINE。
返事をひとつ返すと、別の人からの通知がまた来る。
いつもそんな感じだ。
明日、付き合ってる彼氏とお茶でもしよう、という誘いにOKを出したばかり。普段なら53件にも昇る未読通知を無視して寝るはずだった。
彼氏とのトーク画面から、ホーム画面に戻り、朝の天気について調べていた。
ブーッとスマホが軽く振動した。上端に出された通知には普段メッセージを来ることもなかった人から。
【坂田銀時︙ 結婚することになった。】
彼らしい、文章だな、って素直に思った。
それと同時に、相手は誰なの?いつ頃から付き合ってるの?どれくらい好きなの?どっちから告白したの?出会いは?そういった疑問が脳裏に浮かぶ。
彼氏の博臣くんと話すより心臓がなった。
バクバクと。それはもう心臓が口から吐きでるほどに。
【坂田銀時︙これからも友達でいてくれよな】
その一言でどれほど私が傷ついたのか彼は知らないだろう。
友達になんてなりたくない。
それ以上の関係を築きたい。そう思った私は、きっと博臣よりも坂田銀時という既婚者に恋をしているのだろう。
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作者名:たこな | 作成日時:2018年7月19日 5時