11 大平side ページ12
朝練が終わり、俺と隼人は若利に相談しに行った。
「若利…。ちょっと話があるんだけど……。」
「なんだ。」
「えーと……、英太のことなんだけど…何か変って思わねーか?」
少し俺らの顔を見てから、若利はゆっくり口を開いた。
「いつもと違う気はした。」
「だよなぁ…。やっぱ若利も思ってたか。」
「やっぱレギュラー白布に獲られて、ヘコんでんのかな……。それで、英太なりに何か変わろうとしたとか……?」
英太はどうして一夜であんなに人格が急変したんだ。
まるで、あいつの中に別人が入り込んでるようだ。
「どうしたら、いつもの英太に戻ってくれるかなぁ。」
隼人がボソッと呟いた。
「別に今のままで良くないか。」
若利が予想外の発言。
「ど、どうしてだ?」
「昨日のことを受けて瀬見が変わろうとしているのなら、なぜそれを俺達が止める必要があるんだ?」
……確かに。
若利の意見は正論だった。
今の英太の姿だって、考え考えたなりの姿なのかもしれない。
それを俺達が止めるだなんて、おかしな話ではないか。
「そうだな。俺らが口出ししてどうにかなることでもねーよな。」
隼人も俺と同じ意見のようだ。
「まぁ…そっとしとくか。」
そう俺は言い、その場を後にした。
彼らは知らない。
瀬見が別人のようになったのではなく、
本当に別人が入り込んでるのだということを。
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アヤ - めっっっっちゃ面白かったです!続き期待してます! (2020年4月3日 22時) (レス) id: 1dbd6d09c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スイカ | 作成日時:2017年3月25日 0時