・ ページ7
「はぁ〜〜〜〜……………もうなんなんだあの人……」
お昼の休憩時間、デスクに頭を伏せながらため息を着く。
「いやぁ、今日も凄かったね河村さん。ファッション雑誌見てたAに『俺はAさんの方が何千倍も綺麗で素敵だと思うよ。』なんて言ったんでしょ？もう告白じゃんそれ。」
「いやいやいや冗談やめてよこうちゃん……そもそもなんで私なんかなんだ……？きっと神様の気まぐれだよ、そう……」
「でもそんな神様の気まぐれに素直に振り回されてる純情ちゃんはどこのどいつなの？」
「うるさいなぁ！！元々ちょ〜〜っと気になってたからだけで、別にそんなどんどん好きになったとか、そんなことは決して………」
は〜ん、ふぅ〜〜ん、へぇ〜〜なんて声を出しながらあからさまににや〜〜っとするこうちゃん。本当にこいつ1回シバいたろか……
「……もういっその事夢だと思って寝るかぁ………きっと目覚めたら何ともなくって……」
「いやぁそりゃ難しいでしょ〜。てかAもいい加減慣れてくる頃じゃない？」
「目覚めたら何が無くなるの？」
「いやだから河村さんの口説き…………が………」
言おうとしていた言葉を止めた。いや、飛んだの方が正しいのか？
この会話の流れを思い返すと、私とこうちゃん。あと誰か………？
こうちゃんの方に向けていた首を反対側の方へと向ける。傍から見たら動きの鈍いロボットのようだっただろう。
「うん、僕の口説きがどうしたの？」
な ん で き い て る ん だ ？
「い、いつから、この会話を………？？」
「え？Aさんが大きなため息をついた所からかな。」
「最初からですね！？！？」
ってことはこうちゃん隣にいるの知ってたわけ!!!!!!!!??????こら逃げようとするなちょっと!!!!!!!!
「まぁそれはさておき、」
予想だにしていなかった状況に混乱している私に彼はそう言い、そっと私の右手に指を絡めてくる。
「っちょ、か、河村さん……？」
「僕の事、好きになってくれたって本当？」
身をかがめて首を少し傾げ、下から覗き込むようにこちらを見る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おらんげ | 作成日時：2021年11月27日 21時
