【QK】ゆめごこち【短編集】 (ページ6)

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kwmr『ホームランのおと』ページ6

突然ですが、貴方は河村拓哉という人間(或いは神とも言っても良いかもしれない)を知っているだろうか。

彼は動画内では非常に頭脳明晰、時にはユーモア溢れる姿を見せていると思われる。

実際、オフィスで一緒に仕事をさせて頂いている時も、印象は変わらずのままだし、一人で考え事をしている時は邪魔をしては行けないと思い近寄り難く思ってしまう時もあるが、困り事があると知ると直ぐに助けてくれる先輩としても頼もしい一面もある。

……ただ、一つだけイメージとはかけ離れたものがある。それは……

「ねぇ、Aさん。今日はピンクなの？アイシャドウ、だっけ。」

「えっ、…そ、そうですね。今日はこっちの気分だったので…」

「ふぅん…昨日のも良いけど、今日のは女の子っぽくて可愛いね。」

「ｶｯｯｯ……ﾄﾞ､ﾄﾞｳﾓ…………」

そう、この男。

「あぁそういえば、この前これ食べたいって言ってたでしょ。はい。」

「え！？良いんですか！なんかすみません…ねだった感じになっちゃって……」

「気にしないで、Aさんが幸せそうに食べてる姿、好きだから。」

「ｽｩｯｯｯｿｳﾃﾞｽｶ!!!!!ｲﾀﾀﾞｷﾔｽ!!!!!!!!」

非っっっ常に、

「今度の週末って空いてたりする？実は気になってる本があって、見たいんだけど……」

「空いてます！是非行きましょう！」

「本当？良かった…」

「何時くらいにします？なんならご飯も…って、なんかデートみたいになっちゃいますね！………な、なんて……じょうだ」

「僕はデートのつもりで誘ったんだけど。」

「ﾋｭｯｯｯｯ」

アプローチがすんっっごいのである。

いや本当に、人前とかお構い無しに口説いてくるもんだから、慣れていない私は上手く返答できずにいるし、周りの社員たちも微笑ましそうな生暖かい目で見守ってくるのだ、そこにやにやするな!!!!!!!!助けて!!!!!!!!

お陰でまともに会話のキャッチボールもできない時もあるんだから、非常に困っている。現状河村さんの一方的なバッティングじゃないのかコレ。