【忍たま】君の想いは花筏【共通話１】 (ページ21)

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其の弍（三郎視点）ページ21

「丸腰でこんなに注目を浴びて堂々と潜入なんて、忍にとっちゃ生きた心地のしない忍務だ。潜入先が忍術学園なら尚更。
これが出来るとしたら暗器など必要としない相当な体術の使い手で、無意識下で出てしまうような忍としての最も基本的な行動をも抑える特殊な訓練を積んだ相当の手練れ、という可能性も残る」

私の持論に反論するのはまたしても勘右衛門だ。

「そーんな大物には見えなかったけどなぁ。
俺は滝夜叉丸達と同じくあの場にいた人間だけど、あの裸を見た者の意見としては、体術の手練れなんかではない。華奢で全く筋肉は付いていなかった。まだ農民の娘の方が逞しいよ」

「はぁ〜！？ちょっと待てよ勘右衛門！！何だよ裸って！？」

「お前達は水月の術※を警戒して裏門とか各方面に散っていただろ？あの子、丸腰を証明するのに穴の中で先生方に身包み剥がされて裸同然で這い上がってきたからさ。
まあ、別の意味ではいい身体つきだったよ？」
※水月の術…おとりにより敵陣内で混乱を生じさせ、その隙に侵入し、内部から動乱を起こし、同時に外から強攻する陣の攻略法。

やや赤面しながら話す勘右衛門に八左ヱ門が真っ赤になって騒ぎ立てる。

「お前なあ！陰でそうやって茶化される人の気持ち考えろよなぁ！？」

「まあまあ。ちょうどそこに居合わせた孫兵の目はしっかり覆っておいたから許してよ」

「それはありがとう！！！！」

「話が逸れたけど、勘右衛門はあの子の筋肉のつき方から体術は使えないって判断？」

「兵助、実はそれだけじゃなくて身体に古傷も痣もなんもなくてさ。ついでに言えば肌が白くてそばかすもなくて綺麗で、今までほとんど日焼けもしてこなかったんじゃないかと思う。
脚も細かったし、あれじゃ山越えたり塀の上までも飛び上がれないんじゃないかな？」

「じゃあ今の所は状況証拠からして未来から飛ばされてきた気の毒な子だと考えるのが妥当かな？」

一同は一応の納得を見せている。だが信用が置けないことに変わりはない。

他の五年生は考え込んでいるだけで賛同も反対もない。