鍛錬の手伝いの段 ページ16
「フンッ…ハァ、フッ!…く…ハァ、」
私は今、腕立て伏せをするイケメンの背に正座しております。鍛錬の手伝いをしろと命じられましたが、それは負荷になれという事でした。
私が全体重を預けているというのに腕立て伏せできるって何者?いや忍者か。
「あのー、大丈夫?重くない?」
「重く…なければ、鍛錬に、ならんだろう!」
普通に重いって言われたぁ!!
「たとえ重くても女子には『全然重くない、むしろ軽いくらいだ。ちゃんと食ってるか?』って言うんだよ。
じゃないと折角顔が良いのにモテないよ?」
「んなこた至極どうでもいいわバカタレ!」
会話を弾ませるためについた軽口だっていとも簡単に切り捨てられる。文次郎君はやっぱり昨日の印象通り、お堅い人みたいだなぁ。
それかこの時代だと許嫁とかいたりするんだろうか?
ん〜〜いそう!その子の為にも三禁を厳格に守ってそう!
そうだとしたら文次郎君めっちゃ男前だね??
でも私を背中に乗せるのは感心しませんよ。
しかしこの揺れ…早起きした私にはちょっと心地良すぎるなぁ。
「あのー、揺られてたら眠くなってきたんですけど、寝てもいいです?」
「寝られるものならな」
「ありがとう」
許可が下りたので背中合わせで寝そべった。意外と安定するし、背中は温かいし快適〜!
例えるならば、シートヒーター付きの車で早朝ドライブしながらリクライニングで座席を倒した状態。ちょっと背中がジメッとする気がするけど。
「んなっ!?寝るって寝転ぶのかよ!?」
「左様〜」
あ、許嫁さんいたらすいません。おやすみなさい。
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年7月31日 17時