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其の参 ページ13

女風呂がない。

いや語弊があるな。忍たま長屋付近にない。
くのたま(=くノ一のたまご)長屋の隣にあるらしく、先生方やくのたま達には話を通しておくから今後自由に入るようにと言われているものの、教室棟の最上階の窓からあそこだよと指された場所が部屋から遠くて迷いそう。冬は湯冷めしそう。

…いや、居候の分際でそんな事を思ってしまってすみません。

今日は遅いのでくのたまの皆さんに連絡する時間がないとの事で、忍たま長屋付近にあるお風呂に入ることになり、仙蔵達が私の入るタイミングで外で見張ってくれたことで誰とも鉢合わせを心配する事なくお風呂に入ることができた。

…だが烏の行水。人を待たせているのだからゆっくりなんて浸かれない。


「本当にありがとう。仙蔵、食満」


「なに、気にするな。困り事があれば訪ねてくるといい。くのたま長屋の風呂は遠いだろう。教職員に忍たま長屋の方で入れないか掛け合ってみろ」


「待っている間に仙蔵から聞いた。部屋の戸の建て付けが悪いんだってな。俺は用具委員だから明日放課後に修理に行く」


「…お願いします」


食満とはなんか気まずくって素っ気なく返事をしてしまった。

その後二人とは別れて自室に戻るが、扉が開かない。隣室の灯りが灯っているから文次郎君に開けてもらおうか?でも頼りっぱなしも気が引けるし。ここは何とか自分の力で…


「ふんッ!!」


中でつっかえ棒してるんかってくらい固いぞ。よく仙蔵は開けられたな?線が細く見えても男の子という事か。


「もそ」


「え?…ヒィ、」


仏頂面の六年生がすぐ背後にいて、小さく悲鳴を上げてしまった。失礼ではあるが気配を消して真後ろに立つことないと思う!


「開かないのか」


「は、はい」


すんなり開けてくれた。


「コツがいる…少し持ち上げ気味で引くといい…」


「ありがとうございます!ええと…」


「中在家、長次だ…」


「長次さん、改めましてAです。よろしくお願いします」


「もそ」


仙蔵達と同じ六年生なのに、あの人にはさん付けで呼びたくなるオーラがあるな…。やけに落ち着きがあるし、物静かな人だな。本当に十五歳?

と言うか「もそ」って了承みたいな意味合いで受け取っていいのかな?

天井裏の曲者の段→←其の弍



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設定タグ:忍たま , RKRN , 逆ハー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年7月31日 17時

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