検索窓
今日:9 hit、昨日:60 hit、合計:18,551 hit

其の参 ページ43

「昌義様、照星さん、虎若君。本当にお世話になりました!」


「達者でな。道中気を付けろよ」


「学園で会いましょう〜!」


「それでは失礼します。 ハッ!」


清八さんの掛け声と共に馬が駈け出す。清八さんの肩越しに見える佐武村がどんどん小さくなってゆく。
夏休みが終わるんだ。昌義様や照星さんと別れるのは寂しいけれど、とうとう忍術学園の皆に会えるんだ!


「──Aさん、こっち向いて下さい」


「え?」


振り向くと、不機嫌顔を隠そうともしない清八さんと目が合う。


「やっぱり、嬉しそうな顔をされて。そんなに照星さんの頭巾を脱いだ姿がお好きなんですか?」


ああ、これは嫉妬かな…?照星さんに助けて頂いたのを“負けた”と表現していたし、彼なりに思うところがあるのだろう。


「もうすぐ忍たま達に会えるから嬉しいなって思ってただけですよ。本当です」


「では忍たまの中に意中の人が?」


「いません!!」


「そうですか、それなら良かった」


どんな顔して呟いているのか、そんな声がボソリと聞こえた。

今日は爽やかに晴れている。
晩夏と言えど、まだまだ汗ばむ時期。道中で団蔵君のお母上の絶品梅干し入りおにぎりを食べ、水分をしっかり摂って忍術学園へ向かう。すると一刻半ほどで忍術学園に到着した。


「も、もう忍術学園に着いた…!」


「堺の方面を通って来たので。あの辺は往来が多くて、都に繋がる良い道が整備されているんです」


「へえ…それにしたって何事もなく無事に着くなんて!」


「あはは、それが普通ですけどね。Aさんは襲われ過ぎなんですよ」


白南風丸さんの天然石の首飾りと、照星さんの扇子のご利益かな?
私達が正門の前で話していると、小さな潜り戸から小松田さんが顔を出した。


「あ、Aさん!清八さんも、お久しぶりです〜!」


「お久しぶりです!」


「ご無沙汰してます、小松田さん」


「今、こっちの大きい方を開けますね〜」


馬が入れるように、門を片側開けてもらった。私達が入ると小松田さんはもう一度それを閉めた。


「一旦閉めさせて頂きますね。お帰りの際にまた開けさせて頂きますのでおっしゃって下さいね」

懐かしの忍術学園の段→←其の弐(虎若視点)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
設定タグ:忍たま , 照星 , 清八   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年10月11日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。