四年ろ組の夜間護衛の段(三木ヱ門視点) ページ6
「ヒィ!?」
夜、私達の部屋に訪れたAさんが発した一言目は小さな悲鳴だった。私達はそれほどまでに不機嫌な顔をしていたのだろう。
Aさんの布団を真ん中に川の字に敷いて、私達はそれぞれ自分の布団の上で正座をして彼女を迎えた。
「座って下さい。お話したい事があります」
「は、ハイ…」
「守一郎から聞きました。男の前で上衣を脱ぎ捨てて作業し、あろう事かそのままの格好で池に入られたと」
「…何か問題でも…?」
Aさんも少しの反抗心を見せてきた。
「昨晩
「暑かったし、別に上衣を脱ぐというのがそこまで非難される事だと思ってなかったから…。それにさらしみたいな未来の胸用下着を付けてたし…」
「え?さらしを巻いていたんですか?」
「何て言うのかな、潰さないさらしみたいな」
「守一郎、私はてっきりピッタピタに形が透けていたのだと思っていたのだが、さらしを巻いていたなら別に良いのではないか?」
「ええ!?ここに来てそっち側に回るのか!?」
「すみませんAさん!!双方の話を聞いたところ、守一郎の過剰反応かと…大ッ変、失礼致しましたぁぁぁ!!!」
誠心誠意謝罪をすると、Aさんは私の方へ身を乗り出した。
「そうだよね!?浜君の気にしすぎだよね!?
それなのに浜君に壁ドンされちゃって、その現場を運悪く作兵衛に見られちゃってさぁ」
「かべどん?って何ですか?」
「壁ドンっていうのはね、」
Aさんは私を壁際に立たせると、顔の両側に手をついてその美しい顔を寄せて来る。
えっ何何ちょっと待って接吻しちゃう──!
と焦ったところでAさんは距離を取って私から離れた。
「こんな感じ。壁にドンって手を付くまでが壁ドンなんだけど、浜君はほんと顔が目の前まで迫ってたから、作兵衛がそれ見て浜君が私を口説いていると思っちゃったみたいで、誤解が解けたのか心配だよ」
「しゅ〜〜い〜〜ち〜〜ろぉ〜〜…」
「いや待って!三木ヱ門の掌返しが凄い!!
だってAさんって、くのたま装束じゃなくて俺たちみたいな少しゆとりのある忍装束を着てるから、その、意外と大きいなとか、くびれてるなとか一瞬の間に色々思っちゃって!!気付いたら行動してて!!
三木ヱ門ならこの気持ち理解してくれると思ったのに!!」
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玉虫厨子(プロフ) - 炭酸さん» わ〜〜!めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます!!私もタカ丸さん出てくる場面は筆が走ります!まだ先の話になりますがいつかはタカ丸ルートも書きたいので、どうか気長にお待ち頂ければと思います。 (9月21日 8時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ああああああ面白すぎて一気に読んでました!!最高すぎます、神はここにいた、、、特にタカ丸君が出てきてくれる作品を今だに出会えてなくて、それがやっと出会えて!!しかも神作で!!!本当ありがとうございます!!大好きです!! (9月15日 2時) (レス) @page30 id: 5dbdfb3851 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - れなさん» て、天才…!?恐縮です…!お気に召したようで私も嬉しいです。完結まで宜しくお願い致します! (9月9日 2時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 文才天才すぎます、、めちゃくちゃ好きです、ときめきも笑いも盛りだくさんでとっても好きです、、これからも更新楽しみにしてます!完結までぜひついて行かせてください。 (9月8日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
イリア(プロフ) - コメ返ありがとうございます!鹿之助さんや清八さんなど他ではなかなか拝む事が出来ないキャラを出して下さるのもすごく感激です!キャラが出るたびワクワクして読ませて頂いてます!どうか玉虫様のご無理のないペースでお待ちしてます、これからも応援しています! (9月7日 23時) (レス) id: 97fc43e259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年9月4日 4時