【忍たま】君の想いは花筏【共通話６】

其の伍 ページ5

結局私やしんべヱ君のせいにして(？)、用具委員会の皆が池に入り、水浴びを楽しんだ。


「平太、そっちは急に深くなるから気を付けろよ」


「はい…わぁっ！？」


「平太！」


言ったそばから平太君の足がつかなくなり、留三郎がすかさず泳ぎ寄り、事なきを得た。


「平太君大丈夫？水飲んだりしてない？」


「だ、大丈夫です」


「ほら言ったろ…お前は俺達より浅瀬で遊べ」


「はぁい、父上」


「ち…父ィ！？」


「あわわわ！！すみません食満留三郎用具委員長！！」


小さい子あるあるの、大人を親と呼び間違えるの可愛い！！平太君焦ってる超可愛い！！


「でも確かに、食満先輩って後輩の面倒見が良くって、本当にお父さんみたいですよねぇ！平太が言い間違いする気持ち分かるなぁ」


「そりゃあ食満先輩は同室の善法寺先輩のこともよく助けておられるし、面倒見の良さは学園随一だからしょうがねえな」


しんべヱ君、作兵衛ナイスフォロー！これで平太君の羞恥心も少しは和らぐはず。


「食満先輩がお父さんなら、Aさんはお母さんですね〜！」


「お…おいおい、何言ってる？」


「だってぇ、Aさん優しいし、何だかホッとするし、先ほど食満先輩がAさんを気遣って箒お渡しになってるの見てお似合いだな〜って！」


「しんべヱ、やめないか…」


「食満先輩もAさんもお顔が赤いですよ〜！浜先輩もお二人がお似合いだと思いませんか？」


「Aさんは母上っていうご年齢じゃないんだから失礼だろ」


浜君は私と目を合わせず、しんべヱ君を注意した。


「ご、ごめんなさい、僕そういうつもりじゃ…。ただお二人がお似合いだなって」


「分かってるよ、気にしないで！しんべヱ君のお陰で皆と池で遊べてとても楽しかったよ。ありがとう！」


「えへへ…それなら良かったです！」


留三郎の号令で池から上がり、そのままだと風邪を引くからと、お風呂に入れない私の為に用具委員会の皆が桶リレーでお湯を外まで運んでくれた。それを外で頭から被り、身体を温めながら野水の汚れを落とすことができた。


「今日は本当に助かったよ。ありがとうな」


「ううん。楽しかったし、良かったらまた呼んでよ」


「そうさせて貰う」


濡れそぼってワカメみたいになった私の前髪をかき上げるようにして、マメのできた硬い掌が肌を撫でる。


「すぐ着替えろ。風邪引くなよ」

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