【忍たま】君の想いは花筏【共通話５】 (ページ43)

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其の伍（鹿之助視点）ページ43

早速寝巻きと手拭いを持って忍たまの風呂場へ行くと、その出入り口を塞ぐように五年生が五人、厳しい顔で立っていた。

「やっぱり来ましたね。Aから風呂場に行くと聞いてデモシカさんも風呂場に来るんじゃないかと張っていて正解でした」

「何だ君達は…。邪魔だからそこを退いてくれないか」

「いいえ退けません！なぜなら今時分の風呂場はA専用だからです！！」

「…は！？Aさんが忍たまの風呂にいるのか！？くのたまの風呂場じゃなく！？」

「そうです。距離の離れたくのたまの風呂場に行く途中、曲者に襲われたので忍たまの風呂場にA専用の時間が設けられたんです」

この先で、Aさんが湯浴みをしている。
野郎達も使用する風呂にたった一人で。心配だ…

「安全性は大丈夫か！？覗く奴はいないのか！？」

「大丈夫です。今この学園で一番危ない人物はデモシカさんですから」

「覗きなどするか！」

堂々と言い放つ尾浜の頭をぶん殴ってやった。不遜な奴め！

「Aさんが出るまで私はここで待たせて貰う。どこかの忍たまが集団で覗きなどしないようにな」

「はぁ！？僕達そんな民度低くありません！」

「買うな八左ヱ門。ところで、Aはいつここを立つのですか？」

「いつと言うと？」

「ご結婚のご挨拶に来られたのではないのですか？そうに決まってますよね？でなけりゃ公衆の面前でAの口に蛸突っ込むなんて真似、しませんよね〜？？？」

鉢屋、私の用向きを知ったな。それで強気で煽って来るんだ。

「いいや別件だ。婚前でどこまで致すかはその者達次第だろう」

「あらら〜！？まだ何にも決まってないって事ですか！？それは失礼な事をお訊ねしました〜！
ちなみに、どこまで致されました？？」

「ちょっと三郎、失礼だぞ！蛸突っ込むまでに決まってるだろっ！」

それ以上の事はしているつもりだ。なんなら今日、二度目の抱擁をした。
だが答えてやらん。なぜなら奴は蛸を食べさせる以上の事をしていて、それを私に自慢したいが為に煽っているのがバレバレだからだ。

さては奴ら、私が今日Aさんと寝所を共にするのを僻んでいるのだな？ここは大人の余裕というものを見せてやらねば。

「あれ、デモシカさん？聞いてます？」

「馬鹿は必要以上に相手にしない事に決めているのでな」

五年生の額に青筋が浮き出たのが分かった。私を口車に乗せようなんて十年早い！