其の弍 ページ31
「部位ごとに仕上げるのではなく、全体の調和を見ながら少しずつ足していくことが肝要だ。初心者ほどそれが出来ない」
「「「ふむふむ」」」
「似合う色合いは人それぞれ違う。例えば皮膚から透ける血管の色、頬が紅潮した時の色、打ち身をした時の変色は自らが有している色であり、これらを使うと違和感が出にくい」
「「「ほお!」」」
「最後に、化粧で何とかしようなどと思ってはいけない。化粧とはあくまで補正術。元の顔と乖離すればする程に違和感は増し、忍務失敗に繋がりかねん」
「「「はいっ!!」」」
いや室町のメイク講座が参考になり過ぎる件。
「A、こんな感じでどうだ?」
手鏡を渡される。
「おおー!非の打ち所がない仕上がり…!」
「フッ。私はいつでも完璧だ!」
長い髪を手で棚引かせて格好つけるけど、実際イケメンだからね。キザなポーズがとっても似合ってる。
「立花先輩、完璧過ぎて僕は心配です…」
「ん、どうした伝七?」
「だって、Aさんは今から一年は組の連中とアルバイトに行くんですよね?この完璧な仕上がりのAさんを門外に出すなんて、僕は恐ろしいです!」
「た、確かに…!悪い虫でもくっつけて帰って来そう…。」
「帰って来ればまだいいけど、もし連れ去られてしまったら!?」
「大変だ、委員会しているバヤイではないかも!?」
顔を青くしてオロオロする作法の下級生は本当に可愛いな。私を作法委員会に入れて下さい。
「大袈裟だなぁ。それとも新手の褒め方かな?
みんなありがとう、アルバイトに行ってくるねー」
「外出許可が出ているなら大丈夫だとは思うが、十分気をつけろよ」
「分かった!」
化粧にちょっと時間掛かっちゃった。きり丸君達もう待ってるかな?
「あー来た来た!もーAさん遅いっすよー!」
「ごめんね!化粧道具持ってないから作法委員会でやってもらってたんだ」
「わあ!Aさんお綺麗〜!!」
乱太郎君、きり丸君、しんべヱ君も女装をし、バッチリ化粧だ。
きり丸君はずいっと顔を寄せて私の顔をまじまじと見る。
「…な、何か問題あるかな?」
「いーえ、文句無しの上玉っすね!」
「じょ、上玉って!」
「さ、時間が惜しいんです。早速行きましょう!」
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時