仙蔵の化粧技術の段 ページ30
「Aさぁ〜ん、今日ってお暇ですかぁ?」
食堂でランチしていると、きり丸君が揉み手をしながらすり寄ってくる。
「うん、暇だよ!」
「あのぉ〜、放課後アルバイト手伝って頂けませんかぁ!?」
「私にできることなら手伝うよ!」
「ありがとうございやーす!!外出許可は僕が取っておくんで、小袖着て化粧バッチリでお願いしやーす!」
化粧!?参ったな、化粧道具は持っていないし…
あの人に相談してみるか。
◆
「成程、それで私のところへ」
化粧と言えば作法委員会、作法委員会と言えばこの人!
そう、立花仙蔵である。
「しかし今日の放課後は作法委員会の活動があってな…」
「そっか、じゃあ無理だね」
すると仙蔵は軽く曲げた人差し指を顎に当てて思案する。
「……いや、待て。作法委員会の活動の一環として化粧を施そう」
と、いう訳で仙蔵に連れられてやって来たのは作法委員会の使用する教室。棚には生首フィギュアが整然と並び、掃除も行き届いている。
「「Aさん、いらっしゃいませ〜!」」
兵太夫君と伝七君が立ち上がり、駆け寄ってくるので頭を撫でる。
「や〜二人とも可愛いなあもう!!」
「お土産に頂いた有平糖、とても美味しかったです。ご馳走様でした!」
「浦風藤内君はキチンとお礼が言えて偉いね〜!!」
「ずっとAさんにお礼を伝える予習をしていましたから!」
「その小袖、Aさんにとっても似合っていますねぇ。僕が(Aさんを)貰っちゃいたいくらいです〜」
「喜八郎君、これは頂きものだからあげられないよ!?」
「皆静かに。連絡した通り、今日は最初にAの化粧をする。と言ってもいつも行う首実検用の死化粧ではないが、今後女装の化粧をする上で参考になるだろう」
仙蔵は女装に定評があるらしく、忍術学園では一番の腕前?仕上がり?なんだそう。
確かに、何だか想像できるな。文次郎君なんかは女装を施したらどうなるんだろう。
「化粧をする上で大事なのは、まずその人の骨格を見極めること。そして骨格から眉や目元、鼻、口など各部位がどういう位置でどんな形をしていればより美しくなるかを想像するのだ」
「「「ほお」」」
「Aの場合、眉はこのような太さでこの角度がいいだろう。目尻は少し長く、やや跳ね上げ気味で。全部描くのではなく、足りないところに足してゆく」
「「「へえ」」」
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時