其の伍(勘右衛門視点) ページ18
Aを今日一日連れ出してしまったので、特に八にお詫びのつもりで五年生のいつもの面子を呼び出してAと皆で団子を食べる事にした。
「わあ!それが利吉さんに仕立ててもらったっていう新しい小袖?とっても似合っているね!」
「ふーん、馬子にも衣装ってところか」
「三郎、失礼なのだ。本当に綺麗だよ、A」
「勘右衛門と何にもしなかったよな!?な!?」
雷蔵は素直に褒める。三郎はああは言うけどあれは絶対似合ってると思ってる。兵助は天然で口説くし、八は俺が接吻してないか心配してるなぁ。
「ありがとう!何にもって具体的に何?」
「何かしらはしたって事!?」
「まあまあ。八は放っといてみたらし団子食べよーぜ!」
Aが食堂から借りてきた皿の上に竹皮に包まれた団子を置き、包みを開けると両手の指先にみたらしのたれが付着した。
「あちゃー。兵助、私の手拭い取ってくれない?」
「うん、いいよ」
「「「「!?」」」」
手拭いって、普通懐に入れますけど!兵助今から俺の好きな子の懐に手突っ込んでまさぐるって事!?んで兵助も何で爽やかな顔で了承する!?
「待て俺が取る!!」
「いや俺が!!」
俺と八が弾けるように立ち上がり、雷蔵が自分の手拭いを貸すべきかと悩んでいると、三郎がAの背後に来て、汚れた指先を舐め取った。
「ほれ、取れたぞ。手拭いは自分で取れよ」
「な、な、な、何してんだ三郎〜〜ッ!?!?」
「お前か!善法寺先輩の言ってた【五年で許可なくAに手を出した奴】ってのは!!」
「えっ何それ……ああ、あれか」
「三郎、Aちゃんに何したの…!?」
「雷蔵が心配するような事はなぁんにもしていないさ⭐︎」
三郎の態度にむっとしたAは、自身の袷をぐいっと引っ張って華奢な肩まで露出させると、鎖骨の真ん中辺りを指差した。
「急に体勢崩されて、袷をぐいっと引っ張られて、ここに接吻されて痕付けられた」
「「「「んなっ、何だって〜!?!?」」」」
「お前、何か言い方悪意あるだろ!そもそも俺はお前に恥をかかされて…」
「ふん。一度は食堂で黙ってあげてたのにその態度だもん。それに指舐めてなんて頼んでないし」
八左ヱ門は真っ赤になりながらAの袷をぎゅっと閉じた。
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時