其の肆(伊作視点) ページ17
「お前達、いつまでそうしているつもり?」
「「うわぁ!?」」
戦場からの帰り、忍術学園に帰るまでに古手屋で包帯用の古褌を買ってから戻ろうと町へ寄ると、知った人物が抱き合っていて目眩がした。
「ぜ、善法寺先輩…!」
「伊作君、無事で良かった!不運は回避できた?」
「うん…お前達のその現場を目撃するまではね」
「あはは…一応言っておきますけど、不純なことは一切ありませんので」
「どこかの五年みたいに承諾もなしに手を出すような事がなければ構わないけどさ」
鉢屋はあれから話を聞かないけど一応は大人しくしてるのかな。
「え?ちょっと待って下さい、五年で手を出した奴がいるんですか!?
待って待って、A、誰!?」
「…勘ちゃんの仲良い人」
「えっ!?嘘、八は無理矢理はダメって言ってたから違うだろうし、まさか兵助じゃないよね!?」
「内緒」
「えーっ!?」
「さて、僕は古手屋に寄ってから帰るけど君達は?」
「Aがよければ、もう一件団子屋があるからそっちで持ち帰りの団子を買いたいんだけど…」
「もちろん、いいよ」
「そう。じゃあ気を付けて帰るんだよ。尾浜がいるから心配ないとは思うけど、戦が始まると治安も悪くなるからね」
「はい。善法寺先輩もお気を付けて」
「…あ、そうだ。尾浜ちょっと」
尾浜だけ近くへ呼び寄せる。
「何でしょう?」
「今日、夜間護衛の当番だよね?」
「はい」
「Aちゃん、寝相が悪いから覚悟しておいて」
「寝相如きで覚悟が必要なんですか…?先輩方は昨晩どうだったんですか?」
「留三郎の腕に抱きついていたようで、しばらく腕が痛いと言っていたよ。まあ黙って抱きつかせてた留三郎が悪いけど。
布団は離して寝た方が身のためだよ」
「は、はい!」
「じゃあAちゃん、また後でね」
尾浜とAが抱き合ってた訳だが、Aちゃん達は僕から声を掛けられた事に対しては驚いていたけれど、変に焦ったりしていなかったから、友愛的な抱擁だったのだろう。
「ご主人、古褌はありますか」
「すまないねぇ、いつもは絶対あるんだけど、今ちょうど一枚もなくてね」
「ええっ!?不運だぁ」
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玉虫厨子(プロフ) - 澄香さん» コメントありがとうございます!需要あってよかったです!! (5月8日 6時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
澄香 - いけいけどんどん!!!出茂鹿之介の需要ありまくりです!!!! (5月8日 1時) (レス) @page50 id: b225fd04a2 (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あもさん» ありがとうございます💓 (12月18日 9時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ヤバい/// 出茂鹿・・・好きッ♡♡♡♡♡♡♡♡ (12月18日 8時) (レス) @page48 id: 769dab171c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (9月4日 4時) (レス) @page50 id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2023年8月21日 7時