其の参 ページ10
下級生は頭がこんがらがって話をよく理解できなかったらしい。私も途中からよく分からななくなってしまった。
これを読み込んでいたから、長次さんは校閲に時間が掛かっていたんだ。
「長次！私にも分かるよう説明してくれ！」
「ここから話を整理すると、未来人は天寿を全うするとその数日以内に
おお！だいぶ短くなって明解。下級生達もほうほうと頷いている。
そこで伊作君が手を挙げた。
「一つ僕の持っている情報を補足させて欲しい。Aちゃんからの報告によれば夏休みに兵庫水軍にて死んでもおかしくない程の怪我を負ったのに二日ほど経過後、一晩で神がかった回復を遂げ、起床してきた兵庫水軍の人達を驚かせたそうだ。これは先程の大地震の時の話に通じるものがある」
「おい、そんな話は初耳だぞ！？」
「今、長次の話を聞くまでは不死身説が有力と思われた。未来人である上に不死身なんて学園外に漏れると大変だと思って僕と留三郎と小平太と竹谷のみの秘密にしてたんだ」
そうだ、あの時は腹を執拗に蹴られてお腹が腫れ上がって吐血するほどの怪我だったのに、私が気付いたらお腹も腫れていないし、皮膚の変色もなくて医者のおじいちゃんを驚かせたんだよね。あれは一旦死んで海賊の皆さんが寝ている間に時間移動を済ませていたのか。
……っていやいや！納得しかけたけど死ぬと身体のダメージが全回復して時間移動するって不思議なことが何重にも重なってるし、実質的に不死身じゃないか。本当私って何者なのよ。
「流れ矢で数刻後に死亡すると百年の時間移動。大地震で足が潰れると死後すぐの移動。Aが小平太に連れられて穴に落ちた時は半日後。兵庫水軍で数日後に死んだ時はAがいなくなったと騒ぐ暇もないほどすぐ先の未来へ。
受傷から死亡までの時間が短いほど遠い未来へ飛ばされるという事か？」
仙蔵が顎に手を当て話す。紙も筆も使わず頭の中だけで理解出来るなんて、さすが優秀ない組。
なるほど。じわじわ死ぬような怪我の場合はすぐ先の未来に飛ばされるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー！一気読みありがとうございます！ 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる！笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです！どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも！！めちゃおもろいです！ (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2024年2月2日 21時
