図書委員会の会合の段 ページ8
【本日放課後に六年ろ組教室にて忍たま全員参加の会合を開きます。図書委員会】
このお達しにより私と忍術学園の忍たま全員が六年ろ組の教室へ招集された。上座に図書委員が座して迎える。教室へ来る機会などほとんどないのでわくわくしながらやって来たのだが、図書委員は皆下を向いていて誰一人こちらと目を合わさなかった。あまりいい話ではないらしい。
ただ一人、長次さんだけが毅然とした態度でしっかりと前を見据えていた。
「長次!図書委員会主催の会合って何だ!?」
教室が急に賑やかになったかと思えば、文次郎君と留三郎が文句を言いながら教室に入って来て、長次さんの前で仁王立ちになった。
「しかも全員参加だと?文字に起こして図書室にでも貼り出してその前にご意見箱でも設置しておけばいいだろ?俺は下半期の予算会議の準備で忙しいんだ!」
「用具委員会だって今日は修補しなければならないものが山ほどあるんだぞ!!」
「もそ。会合が今一番重要なことだ」
「ははーん。分かったぞ!書物を汚損させた奴の犯人探しだな!?」
長次さんの脇に置かれた数冊の書物を指差して文次郎君が言う。
「内容については全員揃い次第話す。文次郎も留三郎も座れ……」
「何だそうだったのか?長次!私は最近図書室には行っていないから違うぞ!もう行っていいか!?」
それまで胡座をかいて大人しく座っていた小平太がどこから取り出したのか、バレーボールを持ってすっくと立ち上がった。
「いいから全員座れ……エヒャヒャヒャヒャ……!!」
「うわ!長次が本気で怒ってる!」
長次さんが顔に影を落として不気味に笑い出した。それを見て立っていた者はすぐにその場に座った。
「一体何の話があるんだ。雷蔵のあんなに思い詰めた顔、同室の私も初めて見るぞ…」
隣で三郎が呟いた。どうしたんだろう?皆のことが心配だ。
「全員揃いました」
久作君が長次さんにぽつりと報告した。
「只今より会合を始める。多忙の者もあるようなので単刀直入に話す。先日、園田村の乙名から譲り受けた書物から未来へ帰る方法が見つかった」
どよめきが起きた。皆、そんな話だとは想定していなかったようだ。そしてこの私にとっても青天の霹靂だった。
「なっ…どういう事だ!?」
長次さんは脇に置いてあった書物の一冊を手に取った。
「これはAと同じ、未来人の記した手記だ。亡くなった園田村の先代乙名が未来人だったらしい」
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玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー!一気読みありがとうございます! 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました!どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる!笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです! (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです!どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます! (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも!!めちゃおもろいです! (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉虫厨子 | 作成日時:2024年2月2日 21時