其の伍（孫兵視点） ページ39
イナゴ取りにAさんのことを気に入ったらしい大木先生も加わった。
「そりゃ！」
(な、なんて人だ…！！)
大木先生は止まっているイナゴのみならず、跳ねている最中のイナゴを潰してしまうことなく手掴みにしてどんどん捕まえていっている。
「大木先生、凄ーい！」
「先生！どうやったら跳ねるイナゴを捕まえられるんですか！？」
「イナゴの次の動きを読んで先回りして掴みに行くんじゃ！」
「「へーっ！！」」
僕にはイナゴの飛び跳ねる軌道の予測はついても、身体がついて来ないんだよな。それを易々とこなしてみせるのはさすが忍術学園の元教師だ。
「ひー！！」
相変わらずAさんは触る毎に叫んでいるが、徐々にその悲鳴は短くなり、また捕獲速度も上がってきた。彼女なりに頑張っているようだ。愛があれば苦手も克服出来るのか。
「ふう…結構集まりましたね」
「そうだね。これだけあれば皆につついて貰えそう！」
「ウメエエエ！」
イナゴ取りがひと段落ついた時、山羊の高らかな鳴き声が響いた。
「ん？あれは山羊のケロちゃんが美味しいものを食べた時の鳴き声…しかしいつもは雑草しか食べていないのに、一体何を食べたんだ？」
「あーっ！？」
次いで乱太郎が叫ぶ声が聞こえて、僕は一抹の不安を感じながらそちらへと向かった。
何かを咀嚼するご満悦のケロちゃんと、筆を握り締め、わなわなと震える乱太郎。
「……もしかして、」
「ええ、お察しの通りです……描いたもの全て食べられてしまいました……」
なんて事だ。わざわざ乱太郎を連れて来た意味がなくなってしまった。
「わーんごめんなさい伊賀崎先輩〜〜！私の不運のせいで〜〜！」
「大丈夫だ、仕方ないよ。最大の不運はイナゴが逃げることだ。それに比べたら全然いい」
うん。まだマシなほうだ。竹谷先輩への贈り物が一つ減ったのは残念だが、そう考えることにしよう。
「大木雅之助さん、本当にありがとうございました！これでたくさん作れそうです！」
「なに、これくらい朝飯前だ。しかし五ヶ月も逗留してたのなら情が移ってるだろう。お前さんも忍たま達も教師陣も。別れはさぞ辛かろう」
「そうですね……。あ、よろしかったら大木さんも送別会にお越しください！イナゴ料理の他にもおばちゃんが美味しい料理を作ってくださるので！」
「そうかぁ！それじゃあ万障繰り合わせて行くかな！」
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玉虫厨子(プロフ) - 麗羅さん» わー！一気読みありがとうございます！ 私もどんなエンドを迎えるのか言いたくてうずうずしてしまいます笑 (2月14日 20時) (
レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んでしまいました！どうなってしまうんでしょうか…。ハッピーエンドじゃなかったら悲しすぎる！笑 (2月14日 10時) (レス) id: 06bc0a6cee (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - Maさん» いつもありがとうございます💓楽しんで頂けて何よりです！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
玉虫厨子(プロフ) - ねこさん» コメントありがとうございます🙇夢中とのことで嬉しいです！どのような結末にするかは決めているので、メッセージで質問頂けたらお答えできます！ (2月13日 22時) (レス) id: 9682a1978c (このIDを非表示/違反報告)
Ma - 鬱展開なのか...それとも...んでも！！めちゃおもろいです！ (2月13日 22時) (レス) id: 8c9f415f7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉虫厨子 | 作成日時：2024年2月2日 21時
