【nrs】ももくりさんねん (ページ20)

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19話ページ20

ー「グッとパーでわかれましょ！」

まず私たちは、テニスをすることになった。

チームは、私となるせくん。こゆきとめいちゃんに別れて、あらきくんは審判になった。

「A、俺がカバーするから下手とか気にせず楽しめよ。」

試合前、なるせくんからこんなことを言われた。

きっと私が、

「私は審判でいいよ。下手だし。」

と言っていたのを気にしてくれてるんだろう。

その気遣いになぜかどきどきする。

・

好きな人とチームという状況に、ずっとこのままでいたいという気持ちと、早く終わってほしいという気持ちがぐるぐると心を渦巻く。

『うぁ、ごめん！』

めいちゃんの早すぎるボールを私は捉えきれなくて、ラケットが空振り、

それを後ろからなるせくんがカバーをしてくれた。

そんなことを何度か繰り返し、試合は終わり…
結果は、こゆきとめいちゃんチームの勝利だった。

2人は仲良く、ハイタッチをしていた。

「A、お疲れ。」

私はなにもしてないのに、励ますようになるせくんは私の頭にぽんっと手を置いた。

『なるせくん、たくさんカバーしてくれてありがと！また一緒にテニスしたいね。』