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彼女と意図的に会わない期間を作った。
その期間梓さんや蘭さん、コナンくんなど彼女と関わりを持った人からは彼女のことをよく聞かれた。
病状は良くなったのか。
ポアロにはいつ来るのか。
また遊ぶことは出来るのか。
その度分からないと答えてきた。
そのうち誰からも聞かれることは無くなって
自分の生活から彼女の名前が出てくる事は一切なかった。
最初、急に見舞いに行かなくなった自分を不振に思っていた風見でさえ、見舞いに行かない事が普通にさえなっていた。
だからこそ自分が彼女のことを考えるようになった。
今まで行ってきた事が正しかったのか間違っていたのか。
これから自分が何をできるのか。
「七草さんの状態もだいぶ落ち着いて来たので、そろそろお話出来ますが」
今日で全て決まると言っても過言ではないのだ。
彼女に生涯寄り添うのか、関係を断ち切ってしまうのか。
「話します。そうしないと何も始まらない」
止まったままの時間をもう一度進めるために
「じゃあ少し待ってていてください。ただ、七草さんから拒否した場合は……」
「その時は諦めます。今までの関係を続けます」
関係を断ち切ったところで助けて聞かなければならないんだ。
彼女との約束や柵ではない、
いなくなってしまったあいつらとの柵だ。
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作者名:うまずたゆまず | 作成日時:2018年8月17日 20時