【ヒプマイ】日常【短編集】

山田一郎［ぬいぐるみ］ﾘｸ ページ2

一郎side

依頼を終えて家に戻ると、やけにAの機嫌がよかった。
さっきからずっと鼻歌を歌っている。
いや、普通に可愛すぎるのだが、その理由が気になる。

「A、なんかいい事でもあったのか？」
幸せそうな顔をしているAの顔を覗き込みたずねる。
「そう！あのね！…あ、ちょっとまってて」
何かを取りに別の部屋へ行く。
言われた通りに待っていると、何かのぬいぐるみを持って戻ってきた。
「みてみて！これ今日UFOキャッチャーでとったの。一郎そっくりでしょ？」
と、得意気に見せてくる。
「おぉ…たしかにそっくりだな、」
ぬいぐるみが俺に似てるかどうかよりも、嬉しそうなAが可愛くて可愛くて仕方ない。
「でしょ？見つけた時にね、これは取らなきゃ！って思ったんだ〜」
ぬいぐるみを抱きしめながらそう言う。
思わず笑みがこぼれる。

ふと目が合うとAも笑顔を見せてくれる。
「…お前ほんと可愛いな？」
と、言いながら抱き寄せて頭を撫でる。
すると、Aは驚いたように顔を赤くしてぬいぐるみに顔を埋めた。
「俺がいるんだから今はぬいぐるみいらねぇだろ？」
そう言うと、
「…へへ、そうだね」
と、ぬいぐるみを手放し、まだ赤くなったままの顔で俺を見つめてくる。

「あ〜、もうお前ほんとずるい。」
そう言いまた強くAを抱きしめた。


fin .

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